大気圧プラズマの基礎と応用展開

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本セミナーは、大気圧プラズマの基礎から解説し、表面処理、環境浄化、医療分野への応用を中心に大気圧プラズマ技術の基礎・用途展開動向について詳解いたします。

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プログラム

第1部 大気圧プラズマの基礎と応用の広がり

(2015年3月26日 10:30〜11:45)

 プラズマ技術の持つ、素材に対する高度な機能性付与能力は、半導体分野以外でも確実にそのニーズが拡大してきた。例えば、従来の化学的処理などでは全く歯が立たない新規素材への処理が、低温プラズマ技術で可能になる場面が多く出てきている。  大気圧プラズマは、先端的応用に必要な、プラズマの均一性、安定性、反応活性、高スループット性などを兼ね備えた新しいプラズマ技術として、筆者らが提唱した比較的新しいプラズマ技術であるが、現在では重要な基礎技術として日々世界中に拡大しつつある。本講義では大気圧プラズマの原理と、それを基礎とした各種産業応用への展開例について判り易く紹介する。

  1. 大気圧プラズマの基礎
    1. プラズマとは?
    2. 大気圧プラズマの分類とその特徴
    3. 大気圧プラズマの生成メカニズム
    4. 大気圧プラズマ中の化学反応
  2. 大気圧プラズマの応用展開
    1. 表面処理プロセスへの応用 (炭素繊維やテフロン処理等)
    2. 環境浄化技術への応用 (電子写真への低オゾン帯電付与技術等)
    3. 医療技術への応用 (プラズマペンによる手術中の止血処理等)
  3. 最近の研究学会動向、トピックス
  4. まとめ

第2部 大気圧プラズマによる表面改質技術とRoll-to-Rollにおける有用性

(2015年3月26日 12:30〜13:45)

 大気圧プラズマを利用した表面改質 (洗浄,アッシング,エッチング,CVD) 技術は、2000年以降、多くのFPD製造工程で実用化されてきた。特に液晶 (LCD) 工程では、高速処理で生産量が上げられ且つ、低コストな製造工程が可能な大気圧プラズマは必要不可欠の技術となっている。また、プリント配線板においても、低線膨張係数 (CTE) の高絶縁材料の積層化が進んでおり、大気圧の枚葉型の易接着処理技術の要求が高まっており実用化は進んできた。  近年、高機能光学フィルムや、高密度FPCを高精度印刷/塗工技術の進歩でプリンタブルエレクトロニクスが注目を浴びている。Roll-to-Rollで高速で連続印刷出来れば、プロセスの大幅な簡略化、製造納期の短縮により、劇的なコストダウンが期待できる。 そこで、大気圧プラズマのPFD分野での大気圧プラズマ実用例やRoll-to-Roll技術へ適応可能な大気圧プラズマを利用したフィルム表面処理技術に関して紹介する。

  1. 電子材料製造分野での大気圧プラズマへの期待
    1. 大気圧プラズマの位置づけ
    2. DBP法での大気圧プラズマ発生原理
    3. 電子材料向け大気圧プラズマ
  2. FPD分野での実用化例
    1. 洗浄技術
    2. 撥水処理技術
    3. エッチング技術
  3. フィルム分野への展開
    1. 親水処理 (接着性改善)
    2. プラズマ重合技術
    3. 精密印刷での大気圧プラズマ有効性
  4. まとめ

第3部 大気圧プラズマを用いた環境浄化技術の開発

(2015年3月26日 13:55〜15:10)

 本講演でははじめに、大気圧プラズマの発生方法と発生メカニズムの基礎について実例をあげわかりやすく解説します。次に講師が開発した大気圧プラズマ複合環境浄化技術の基礎と応用例を、分野の最新動向を交えながらわかりやすく解説します。例として、ディーゼルエンジン排ガス処理、工業用ボイラー排ガス処理、水中プラズマによる水浄化廃水処理、揮発性有機化合物 (VOC) 分解処理、空気清浄装置などを選択し、受講後、類似の開発を直ちに始めることができるような具体的情報を中心に提供します。なお、研究途上の技術については実用化に向けた技術的課題、今後の見通しを述べます。

  1. 大気圧プラズマの発生方法と発生メカニズムの基礎
    1. 大気圧プラズマと発生法
    2. オゾン発生装置
    3. 沿面放電方式
  2. ディーゼルエンジン排気のPM,NOx同時除去
    1. 試験装置について
    2. PMの低温燃焼浄化
    3. NOxの還元浄化
  3. 工業用ボイラー排ガス処理
    1. プラズマケミカルハイブリッド法
    2. プラントの概略
    3. NOx処理性能試験結果
  4. 水中気液界面プラズマによる廃水処理
    1. プラズマ発生の原理と装置詳細
    2. 水中放電の種類
    3. 各種計測・試験の結果とまとめ,今後の展開
  5. 低温プラズマ複合処理によるVOC (揮発性有機化合物) 分解技術
    1. プラズマ発生の原理と装置詳細
    2. 各種計測・試験の結果とまとめ
  6. プラズマ空気清浄システム
    1. プラズマ脱臭の原理
    2. 空気清浄機の構造と結果
    3. ごみ処理工場の脱臭施設
  7. まとめと今後の展望

第4部 新しい大気圧プラズマ技術と先端医療・ヘルスケア・美容分野への応用可能性

(2015年3月26日 15:15〜16:30)

 光源以外には役に立たぬと揶揄されたプラズマの時代はプラズマの歴史の中では驚くほど長く、こうした光源応用のプラズマが第一世代とすれば、半導体プロセスなどに用いられる真空プラズマが第二世代、容器から飛び出し空間的な自由を得た大気圧プラズマは第三世代のプラズマと言える。そして、触っても熱くも痛くも無い大気圧プラズマの登場により、いよいよ究極の照射対照物である、生物、殊更人間へのプラズマ照射が可能となった。こうしたプラズマが第四世代であるとすると、その時代はまだ短く、歴史は浅い。  本講座では、現在講演者らが研究中の、大気圧プラズマを用いた殺菌や洗浄技術、疾病の簡易診断への応用などを紹介する。併せて、初めて大気圧プラズマを扱う技術者、研究者に向けて、前世代のプラズマと決定的に異なり、研究を進める上で気をつけなくてはいけない点についても触れる。

  1. 医療、ヘルスケアに必要なプラズマとは
    1. 大気圧プラズマの基礎
    2. なぜ、さまざまなガスでプラズマを生成する必要があるのか? ~マルチガスプラズマの利点
    3. ヒトに照射できるプラズマとは? ~ダメージフリープラズマ
    4. 高い温度を持つ大気圧「低温」プラズマの矛盾 ~プラズマ温度の多様性と温度制御プラズマ技術の紹介
    5. 古典的大気圧プラズマの活用 ~ヒトに直接照射するだけが、プラズマの医療、ヘルスケア応用ではない!
  2. 大気圧プラズマの医療、ヘルスケアへの研究事例
    1. プラズマ直接照射による殺菌
    2. プラズマ温度と殺菌効果の関係
    3. 液中大気圧プラズマによる殺菌
    4. プラズマを水中に溶かす「プラズマ機能水」による殺菌/洗浄研究事例
    5. 皮膚状態の評価、診断用途に大気圧プラズマを用いる
    6. 特定の細胞一個を標的に元素分析を行う診断
  3. まとめ
    1. 大気圧プラズマに関する研究で気をつけないといけない点
    2. 将来展望とまとめ

会場

大田区産業プラザ PiO
144-0035 東京都 大田区 南蒲田1-20-20
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