第1部 自動車軽量化と衝突安全性を両立させる超ハイテン材の開発動向
(2015年2月27日 11:00〜12:30)
自動車の車体軽量化・衝突安全性を両立させるためには、構造材である鋼材の強度を高くすることが求められる。一方、鋼材の強度向上は、プレス成形性や溶接性の課題や、特殊元素の添加等の経済的な問題などが生じる。これらの問題を解決すべく開発した良成形性超高強度鋼板について冷間プレス加工と熱間プレス加工を比較しなら紹介する。
- 緒言:自動車と材料
- 自動車を取り巻く環境
- 自動車に使われる材料
- 各部位で期待される強度と特性
- 各部位に適用される高強度鋼板
- 骨格構造部品用鋼板 (衝突特性向上)
- パネル系部品用鋼板
- シャシー足回り部品用鋼板
- まとめ:今後の自動車用鋼板
第2部 自動車の軽量化と衝突安全性向上を可能にするポーラス金属の低コスト製法と実用化展望
(2015年2月27日 13:20〜14:50)
これまで、多くの優れた性質を有するポーラス金属が開発されたが、実用例は未だ限定的であり、さらなる低コスト化と品質保証が大きな課題となっている。本講演では、方向性気孔を有するポーラス金属の低コスト化を実現し、気孔形態を制御可能で、種々の金属材料にも適用可能な簡易製法と、作製したポーラス金属の有効性についてアルミニウムのデータを中心に説明する。また、新材料を生かすのは「ヒト」であり、材料ユーザー・部品メーカーのあり方について提言する。
- ポーラス金属の基礎
- 各種ポーラス金属の特徴と自動車への適用 (アルミニウム合金)
- 各種ポーラス金属の従来製法と課題
- 低コスト化,気孔制御を実現する新規簡易製法
- 既存の製造設備に適用可能なパイプ浸漬法 (液相浸漬法,セミソリッド浸漬法)
- 原理
- 制御された気孔をもつポーラス金属
- 既存の製造設備に適用可能な鋳造法
- 原理
- 量産化を実現する連続鋳造法
- 原理
- 制御された気孔をもつ長尺ポーラス金属
- 機械的性質
- 衝撃吸収性に優れた圧縮変形挙動
- 軽量化を実現する強度
- エネルギー吸収特性
- 強ひずみ加工によって作製した高強度ポーラス材料
- 今後の展望
- 企業における実用化の課題
第3部 マグネシウム合金実用化の期待を背負う、板金プレス技術と自動車部品適用への展望
(2015年2月27日 15:05〜16:35)
自動車や輸送機器分野等では車両の軽量化によりCO2 の削減や省エネルギー化を図る必要がある。この様な背景により近年、軽量化材料としてマグネシウム合金 (難燃性) 等が注目されているが成形加工性に関して難しい一面を有している。プレス成形加工に於いては的確なプレス技術を確立する事により自動車部品の試作開発に成功したが生産性向上等の課題を克服する必要がある。またマグネシウム合金 (難燃性) 製マイクロEVの試作開発を行い実用化の可能性や燃料電池として自動車の動力エネルギーに応用できる可能性もあり実用化展開も期待できる。
- 軽量化部品の研究開発に取り組む矢島工業(株)の概要
~軽量化材料 (Mg以外の材料) とプレス成形加工~
- 自動車の軽量化対応の必要性について
- 国内外の燃費基準及び規制の強化の状況と軽量化対応の必要性
- 次世代自動車 (EV他) の軽量化の必要性
- マグネシウム材料について
- マグネシウム材料の生産状況と需給動向
- マグネシウム圧延材料の金属組織とプレス加工性
- 難燃性マグネシウム 材料について
- 難燃性マグネシウム材料のプレス成形部品に関する研究開発
- 双ロールキャスティング板材の機械的特性と温間深絞り特性
- 自動車用ブレース部品のプレス金型の温度解析
- ブレース部品に関する温間プレス成形技術の確立について
- マグネシウム材料の自動車部品適用への展望
- 難燃性マグネシウム材料製マイクロEVの試作開発と実用化
- 難燃性マグネシウム製燃料電池に試作開発と実用化 (東北大 小濱教授)