結晶性高分子における結晶化やガラス化などの現象を初学者にも解り易いように解説する。それら結晶化やガラス化の現象を観察・評価するための各種の手法 (光学顕微鏡観察、広角X線回折測定、示差走査熱量測定) をノウハウも含めて講述する。
また、応用編として、放射光X線 (SPring8) や超高速DSC用いた高度な評価法や開発の現場でのヒントにつながる結晶性高分子の高次構造制御のための指針と実例を紹介する。
- 序論
- 自己組織化
- 一次構造と高次構造
- 立体規則性
- 核生成と結晶成長
- 結晶性高分子における状態の変化
- 自由エネルギー
- 平衡状態と非平衡状態
- 溶融状態と過冷却状態
- 結晶化とガラス化
- 均一核生成と不均一核生成
- 各種測定法による結晶性高分子の評価
- 等速冷却・加熱法と温度ジャンプ法
- 光学顕微鏡 (OM)
- 偏光解消透過光測定 (DPLT)
- 広角X線回折 (WAXD)
- 示差走査熱量測定 (DSC)
- 応用編
- 放射光X線と高速温度ジャンプ法を用いた高分子結晶化の高速時間分割測定
- 放射光マイクロビームX線を用いた流動場における高分子結晶化の測定
- 超高速示差走査熱量測定 (DFSC) による高分子の結晶化とガラス化の評価
- 多種の測定技術とプロセッシングの最適化による高次構造制御の例