1. 個人情報保護法の改正をめぐる動向
(2015年1月30日 14:00〜15:10)
- 2014年にも、大規模な個人情報の漏洩事件が発生し、名簿業者による不正な個人情報の取り扱い等が、社会問題化した。また、IT化が進んだ現代では、個人情報をはじめとする情報漏洩のリスクは、以前よりも高まっている。
一方で、本格的なビッグデータ時代を迎えるにあたり、個人情報より広い意味でのパーソナルデータの扱いが課題となっている。具体的には、個人を特定できない形での情報活用のニーズが高まっており、そのルール作りが急務となっている。
このような背景の下、内閣に設置されたIT総合戦略本部では、2013年9月より「パーソナルデータに関する検討会」において、制度改正に関する検討が重ねられた。その結果を受けて、2015年の通常国会において、個人情報保護法が大きく改正される見込みである。
本講演では、総務省総合通信基盤局において、モバイル通信に関する法整備に携わる等、IT法を専門とする講師が、IT業界をはじめ、ビジネスへの影響も予想される制度改正の動向を解説する。
- パーソナルデータをめぐる現状
- 個人情報保護法の現状
- 近時の関連事件
- マイナンバー法等の法整備
- 個人情報保護法改正の概要
- 同意なくデータを利活用する枠組み
- データの利活用とプライバシー保護
- 第三者機関の整備
- 今後の制度整備等の動向
- 質疑応答/名刺交換
2. IT業界における個人情報、パーソナルデータ保護に関する最新動向
(2015年1月30日 15:20〜16:30)
インターネットや携帯電話等の電気通信サービスは進化が著しく、現在ではスマートフォンやタブレット端末等の急速な普及が進み、利用者の生活にも欠かせないものとなっている。
アプリケーションの利用も増えているところ、アプリケーションの中には、利用者から情報を収集して第三者に提供しているにもかかわらず、利用者が情報収集の事実や内容などを把握できていないケースがある。また、スマートフォン等の普及に伴い、位置情報の利活用が期待されているが、通信の秘密やプライバシー保護等の必要性もあり、利用が進んでいない状況にある。
本講演では、総務省総合通信基盤局消費者行政課に所属し、上記各点の業務を担当している講師が、総務省の取組について説明するとともに、リベンジポルノ防止法などの電気通信サービスに関連する新しい法制度について解説する。
- スマートフォン等普及に伴う新しい問題
- アプリケーションについて
- 位置情報について
- アプリケーションに関する取組
- プライバシーポリシーの作成 (SPI)
- 実証実験の実施
- 位置情報に関する取組
- 位置情報プライバシーレポート
- 位置情報の利活用について
- 電気通信サービス関連の新しい法制度
- 質疑応答/名刺交換