最近、ゼオライトや活性炭に代わる新たな多孔性材料として、有機配位子と金属イオンとの自己集合反応によって合成される多孔性金属錯体が注目を集めている。この材料が有する規則性空間は、配位子と金属イオンとの様々な組み合わせにより、そのサイズや形状、表面状態を合理的に設計できる。
本講演ではこのナノ空間材料の合成や特徴を述べ、吸着剤や反応場としての応用についても今後の見通しも含め解説する。
- ナノ空間材料とは
- 従来型ナノ空間材料 (ゼオライトや活性炭)
- 次世代型ナノ空間材料としての多孔性金属錯体
- 多孔性金属錯体の特徴
- 多孔性金属錯体の歴史と広がり
- 多孔性金属錯体のコスト・特許・企業開発状況
- 多孔性金属錯体の耐性、安全性、価格
- 特許出願数推移
- 企業開発状況
- 多孔性金属錯体の設計・合成法
- 基本的な合成法
- 様々な合成法
- 材料評価法
- ガス貯蔵と分離
- ガスの有用性
- 一般的なガス貯蔵と分離法
- 多孔性材料を使った貯蔵・分離
- 多孔性錯体によるガス吸蔵・分離
- 多孔性金属錯体による高分子材料創製
- 高分子とは
- 一般的な高分子合成と生産
- 生体内での高分子合成
- 多孔性錯体を反応場とする有用性
- 種々の重合制御法
- 多孔性錯体とのナノ複合体形成
- 他の物理機能
- 磁気特性
- 蛍光特性
- 伝導特性
- 多孔性錯体のまとめと展望