自動車は、その利便性から今や日常生活に不可欠となっている。一方、化石燃料消費による地球環境への影響、交通事故など解決課題も多い。最近、水素燃料車 (FEV) や自動運転システムなど期待される新技術が発表されている。他方、最近報道されているエアバッグのリコールなど電装品の故障は決して少なくはない。 自動車を構成する部品は3万個と極めて多く、エンジンやモータなどの100個のアクチュエーターを駆動するため、50個のセンサと50個のマイコンで高精度に制御し、効率良く、かつ、排気ガスを最小にして安全に配慮しながら運転している。電装部品の事故は、人命にかかわるため設計、製造プロセス、検査に亘って高い信頼性が要求される。 本講座では、代表的な車載センサに焦点を絞り、まず測定原理から特性仕様を述べ、どのように性能・コスト比を達成し、信頼性を作り込んでいくのかを設計、試作、評価の各プロセスについて具体的事例を挙げ詳細に解説する。また、新しいセンサと今後の開発動向につい解説する。