第1部 高活性物質を取扱う設備での洗浄問題解決 / 洗浄評価・洗浄基準値設定、洗浄バリデーション、洗浄しやすい設備設計
(2015年1月28日 10:15〜15:15)
最近、高薬理活性物質をマルチパーパス設備で扱う事例が増えている。その場合の大きな課題の一つは、洗浄評価基準の構築である。規制当局のEU-GMPは2014年8月に専用化要件、交叉汚染防止に関するChapter3およびChapter5の最終決定版を発出した (2015年3月から施行) 。そこでは、「健康ベースでの曝露限界値」を洗浄評価に用いることとされている。今後PIC/Sにも反映される内容である。関連して、専門家団体からの洗浄評価に関するガイドラインの提案も活発である。
ここでは、従来の洗浄基準とその問題点、最近の各種ガイドライン・法規制、健康ベースの曝露限界値を用いた数値シミュレーション、今後の洗浄バリデーションへの具体的な対応、洗いやすい設計のポイントなどについて説明する。
- 医薬品製造工場を取り巻く動向とその背景
- 医薬品ニーズの変化
- 高薬理活性物質を扱うマルチパーパス設備での洗浄の課題
- 品質を確保するための洗浄と労働安全衛生のための封じ込め
- GMPと労働安全衛生 (IH) のバランス
- 「健康ベースの曝露限界値」を用いる洗浄評価
- 従来の洗浄残留基準
- イーライリリー社の評価基準の詳細と問題点
- 各種規制、ガイドラインにおける洗浄残留基準
- 洗浄残留許容基準を巡るいろいろな意見
- 目視検査の技術進歩
- Forsyth氏の目視限界
- Jenkins氏の目視限界
- 洗浄に関連する最近の規制・ガイドライン
- EU-GMP 2014 (専用化要件の見直し/交叉汚染防止策)
- EU-GMP Annex15 (洗浄バリデーションの見直し)
- ISPE Risk-MaPP 2010
- PDA TR-29 2012
- APIC 2014
- 健康ベースでの曝露限界値 概論
- 用量反応曲線と閾値
- 用量反応曲線における問題点
- 健康ベース曝露限界値の定義概略
- 健康ベース曝露限界値の使われ方
- 健康ベースでの曝露限界値を用いる洗浄評価
- 具体的な数値を用いたシミュレーション
- その結果と考察
- 持ち越し量についての再考
- 洗浄の目標設定について
- 高活性物質を扱う設備における洗浄バリデーションの今後の対応
- 今後の洗浄バリデーションに必要となる事項
- 具体的な方案 ~ 提案 ~
- 洗浄しやすいマルチパーパス設備の設計事項
- リスクアセスメント~洗いにくい箇所
- 洗いやすい設備設計の事例
- 洗浄負荷を軽減するための方策
第2部 高活性物質の暴露許容値の設定とその活用
(2015年1月28日 15:30〜17:30)
これまで作業者保護の観点から暴露許容量 (OELなど) が設定されていたが、交差汚染防止からも暴露許容量 (ADE、PDEなど) が必要とされるようになってきた。そこで、暴露許容量をいかに設定しどう活用するのか、またどのような課題があるのか解説する。
- 背景
- 作業者保護
- 交差汚染防止
- 基礎知識
- 暴露許容量の設定
- 化学物質取り扱いにおける管理手法
- 演習
- 暴露許容量の活用とその実例
- 作業者保護
- 交差汚染防止
- 課題