潤滑剤は機械装置を摩耗や焼き付きから守り、円滑な動きで消費動力を低減する働きがあり、コストダウンはもとより、資源やエネルギーの無駄を省き、環境を保全する大切な役割を持っている。しかし、潤滑剤が用いられる機械の可動部分は材料、荷重、速度、温度などが多種多様であるため、これらの箇所を適切に潤滑するには潤滑剤の特性や使い方に関する理解が不可欠である。
自動車の潤滑を例として潤滑剤とその添加剤の基礎と応用について化学およびユーザーの視点から解説する。
- はじめに
- 潤滑のしくみ
- トライボロジー
- 摩擦の正体
- トライボロジー
- トライボロジーの舞台
- 固体の表面・界面
- 接触
- 摩耗と焼き付き
- ざらつき摩耗
- 凝着摩耗
- 腐食摩耗
- 疲れ摩耗
- 微動摩耗
- 潤滑の3領域
- ストライベック線図
- 流体潤滑
- 弾性流体潤滑
- 境界潤滑
- 潤滑剤
- 潤滑油の性質
- 粘度特性
- 潤滑油の成分
- 油性向上剤
- 極圧添加剤
- 粘度指数向上剤 (VII)
- 清浄分散剤
- グリース
- グリースの構造と組成
- 使い方
- 固体潤滑剤
- 黒鉛
- 二硫化モリブデン
- PTFE
- 自動車の潤滑
- 自動車のトライボロジー
- ガソリンエンジン油
- エンジンの潤滑部位
- エンジン油の規格の変遷と組成
- ZnDTP
- 有機モリブデン
- 粘度規格とVII
- 最近の動向
- 使用に伴う変質
- エンジン油の使い方
- ディーゼルエンジン油
- 使用に伴う変質
- 動力伝達系の潤滑
- 自動変速機
- 歯車の潤滑
- まとめ