近時、多くの日本企業が、中国・アジア各国の企業へ技術移転を行っています。今回は、25年以上にわたって国際法務の第一線で活躍している弁護士が、中国・アジア各国の現地企業へ技術移転する際におけるライセンス契約の基本的なポイント、トラブル事例について、法務部以外の部門の方にも理解できるように分かりやすく解説します。
講演内容としては、まず、技術移転にあたって事前に検討すべき事項を整理します。次に、海外への技術移転にあたり特に重要となる技術ライセンス契約につき、その作成、締結のポイントを、サンプル契約書の条文に沿って解説します。更に、中国・アジア各国の技術移転に関連する法制度を説明します。最後に、中国・アジア各国への技術移転に伴って実務上よく発生するトラブル事例とその対応策を解説します。
- 海外技術移転におけるライセンス契約の基礎
- 技術移転に際して契約を進める上での留意点
- 契約締結までの流れ
- 契約対象の権利の分類・取得方法・移転方法
- 権利の分類
- 権利の取得方法
- 権利の移転方法
- 技術提供する側/提供を受ける側での留意点
- e.g. 事業におけるライセンスの位置づけ、事前調査
- 契約書の作成段階で検討すべき条項例と留意点
- 定義
- 許諾権利
- 許諾製品
- 地域
- 実施許諾
- e.g. ライセンスの種類、サブライセンスの許諾、
- 競合品
- e.g. 競合他社からの類似技術のライセンスの禁止
- 技術情報の範囲と開示
- 対価
- 保証・責任
- 改良技術
- 秘密保持
- 契約期間・解除
- 終了時の措置ほか
- 各国特有の規制に対応する条項
- 各国の特有の法規制
- 中国
- 台湾
- 韓国
- インド
- タイ
- インドネシア
- ベトナム
- マレーシア
- 実務上、よくあるトラブル事例と対応策
- ロイヤリティを巡るトラブル
- e.g. 契約登記の不備を理由とするロイヤリティ支払いの拒絶
- 秘密情報の流出
- 保証責任を巡るトラブル
- e.g. ライセンサーに対する非侵害、完全性の保証責任の追及
- 改良技術を巡るトラブル
- e.g. 改良技術の実施に対する対価要求、改良技術の開示要求
- 許諾地域外への販売
- e.g. ライセンシーの販売店による許諾地域外への輸出
- ライセンス製品の横流し
- 契約終了後の技術の継続使用要求
- e.g. 技術輸出入管理条例の誤った理解に基づく継続使用の要求