大気圧近くで発生する熱プラズマは、1万度以上の高い温度を持っている。熱プラズマは、高温熱源としてのみならず、高化学反応性の反応場として、幅広い材料プロセッシングに応用することができる。ナノ粒子合成に応用した時の顕著な特徴は、高結晶性ナノ粒子を一段プロセスで (言い換えると、ポスト熱処理の必要なく) 合成できる点にある。本講座では、主として、酸化チタンTiO2に種々の元素をドープしたナノ粒子を取り上げる。熱プラズマナノ粒子と液相プロセスなど他のプロセスにより合成したナノ粒子を比較し、蛍光体、光触媒への応用を説明する。また、プラズマ合成ナノ粒子の液中での易分散性についても言及する。
- 材料合成“化学反応場”としての熱プラズマ
- 熱プラズマ合成プロセスの特徴
- 高度制御熱プラズマによるセラミックナノ粒子の非平衡・高速合成
- 高速合成
- 化学組成の精密制御
- 小粒径化、シャープな粒径分布を得るための粒径制御
- 機能性発現に重要な結晶性、生成相の制御
- プラズマ合成ナノ粒子の発光特性
- ナノ粒子蛍光体の重要性
- 希土類ドープ酸化チタンナノ粒子の相生成と発光特性
- Eu3+ドープ酸化チタンナノ粒子蛍光体の合成
- Eu3+ドープ酸化チタンナノ粒子の表面欠陥と発光特性
- Er3+ドープ酸化チタンナノ粒子蛍光体の合成
- Eu3+ドープ酸化イットリウムナノ粒子の相生成制御と発光特性
- プラズマ合成酸化チタンナノ粒子の光触媒特性
- 酸化チタン系光触媒材料の課題
- Fe3+ドープ、およびFe3+、Nb5+共ドープ酸化チタンナノ粒子の格子欠陥と光触媒特性
- Nb5+ドープ、およびEu3+、Nb5+共ドープ酸化チタンナノ粒子の可視光活性な光触媒特性
- プラズマ合成ナノ粒子の液中易分散性
- 物理的・機械的分散手法によるナノ粒子の液中分散
- ボールミル、微小ビーズを用いたビーズミルによる液中分散法の特徴
- 新しい超音波分散法による液中分散・凝集制御
- プラズマ合成酸化チタンナノ粒子の液中分散