高性能・高品位のフィルムの製造のためには、各工程において発現する現象を理解し、ポリマー、プロセス両面の適正条件の設定が大切である。そのためにはまず現象の発生メカニズム、支配要因などの基本的なことの把握と解決策の構築が必要となる。
本講座ではフィルムの成形過程で重要な現象を取り挙げ、それぞれの現象をレオロジーの観点あるいは構造論的な知見も入れながら適正条件の設定に結び付けるように解説を行う。
- はじめに
- プラスチックフィルムの基礎
- フィルムの種類と用途
- フィルムの作り方
- フィルム成形のレオロジーの基礎
- せん断流動域のレオロジー
- 伸長流動域のレオロジー
- 製膜過程での現象
- ダイス出口までの問題
- ポリマーの熱分解、ゲル化、未溶融物
- せん断流動不安定性
- ダイス出口後の問題
- フィルム表面の欠点
- 結晶化に伴う表面特性と課題
- ドローレゾナンス現象とフィルム厚み変動
- ドローレゾナンスとは?
- 理論解析により本質を知る
- ドローレゾナンスの低減策
- 延伸過程での現象
- 延伸による複屈折の発現
- 一軸延伸と配向結晶化、高次構造発現
- 二軸延伸、多段延伸と高次構造
- ボーイング現象とフィルム幅方向の物性不均一性
- 製膜・延伸による表面・界面の変化
- 表面加工技術の種類
- 表面分析・評価技術
- 表面・界面変化の事例
- 結晶化による表面構造
- 微粒子による表面突起形成
- PET系合成紙の例
- おわりに
- 質疑応答
- 自由な質疑応答
- 個別相談