注射剤の不溶性微粒子試験法・規格値と合否判定および医療機関が求める注射剤の異物混入・包装素材

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プログラム

■第1部 (2014年11月28日 10:30〜13:00) 「3極局方の相違・調和を踏まえた注射剤の不溶性微粒子試験法・規格値と合否判定」

 FDAでは、2002年8月から、「21世紀に向けた医薬品GMP-リスクに基づくアプローチ」による新たな取り組みの中で、無菌製剤ガイダンスの最終版が2004年9月に発行された。一方、EUでは、2003年9月に、改訂されたEU-GMP Annex1が発効したが、2008年2月15日に修正版が出て、さらに2008年11月に一部訂正版が出された。日本の厚生労働省からは、日本版ガイドライン「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」が事務連絡の形で省内に2006年7月に発出された。さらに2009年7月から、EU Annex 1改訂版に合わせて、無菌操作法による無菌医薬品製造指針改正班が立ち上がり、2010年7月に改正がなされた。  このような状況を踏まえ、日米EU三極の無菌医薬品製造に関するGMPやガイダンスに基づく議論が進められ、厚生労働省は2014年7月にPIC/Sの正式メンバーとなった。PIC/Sにおける査察で特に求められる可能性があるのは、特に無菌医薬品製造において、科学的論拠による製造環境の常時モニタリングの実施であろう。特にアラート・アクションの明確な設定と管理であり、本講座では、局方に基づく注射剤の不溶性微粒子の試験法と規格に基づく管理手法に焦点化して解説する。

<講習会のねらい>  21世紀における医薬品製造管理においては、グローバル化により、三局調和された試験法や無菌製品の管理が求められ、その中で微粒子・微生物試験の合否の精度が鍵となる。そこで、この管理手法を製造工程内で自動化する方式とラボ管理方式があるが、双方の長所、短所を考慮した留意点を学習する。

  1. 日本薬局方第16改正における微粒子試験法の内容
  2. 三局における試験法の調和と重要項目
  3. 国際調和に向けた方向性と注射剤の他の試験法
  4. 微粒子規格と限度値
  5. 微粒子測定装置とその管理法の留意点
  6. 微粒子の工程内自動測定装置の管理とSystem Suitability Test
  7. 無菌医薬品製造指針とJP16の参考情報における相互関係
  8. 環境モニタリングと品質管理における逸脱管理の考え方
  9. PAT (Process Analytical Technology) の適用とその重要性
  10. 無菌医薬品製造設備の表面の清浄性と維持の重要性と微粒子の関係

■第2部 ( 13:50〜16:30) 「臨床現場における異物混入防止策の実際と医療機関が求める注射剤の包装素材」

 注射剤のガラスアンプルは、開封作業時に多くのガラス片を発生する。通常、異物はファイナルフィルターによって捕捉され、患者体内へ混入しないように対策が施されている。しかし、フィルターの使用が困難な注射剤を使用する際には、薬液中の異物を可能な限り低減させる工夫が必要となる。本講座では、臨床現場における研究成果に基づいた異物混入防止策について紹介する。  また、近年注射剤包装はガラスからプラスチックへと変遷している。医療従事者にとってプラスチック製包装容器は、軽量かつ破損しにくい等の理由から利便性に優れているといえる。一方、患者の視点に立った場合、プラスチック製包装容器は、水蒸気および外気の透過性ならびに化学物質の溶出等の理由から安全面に疑問が残る。本講座では,現在までの我々の基礎研究の成果を通じて、プラスチック製包装容器に充填された注射剤中に存在する化学物質の危険性ならびに注射剤のプラスチック製包装容器の今後必要と考えられる対策について考えていきたい。

<講習会のねらい>

  1. 臨床現場における注射剤採用前後の品質評価の実例
    1. 後発品採用現場では
    2. 不純物による採用延期の事例
    3. pH調整剤含有注射剤のリスク回避の検討
    4. 難溶性注射剤の安全性・利便性評価
    5. 後発品採用後の副作用調査
  2. 体内への異物混入防止策の実際
    1. ガラスアンプル
    2. バイアル製剤
    3. 少量の溶媒で溶解する注射剤
  3. プラスチック製包装容器の問題点
    1. 注射剤に使用されるプラスチックの現状
    2. プラスチック製包装容器に充填された注射剤中の化学物質
    3. 注射剤に混入する化学物質の毒性評価
    4. 医療機関が望むプラスチック製包装容器

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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