透過性、帯電性、接着性、印刷・塗装性、生体適合性など、多くの機能性が高分子材料表面の構造と物性に大きく依存している。高分子表面に機能性を付与する最も有効で重要な手段は低温プラズマを用いるものである。これまで、低温プラズマは通常低圧下で発生させていたが、近年大気圧下で低温プラズマを発生させる技術が急速に発達し注目されている。 本セミナーでは、低温プラズマの発生方法とその特徴を整理し、これを高分子の表面改質および薄膜形成に応用する技術を解説する。さらに、材料表面における化学構造変化について、そのデプスプロファイルとダイナミクスに注目しながら分析する方法を解説し、高分子材料の表面処理・改質に関する基礎から最先端技術までを体系的に把握することを試みる。