本セミナーでは,分散系のぬれ・分散安定化を左右するパラメータとして,SP値を軸に表面エネルギー (表面張力) や酸塩基性なども取り上げ,その上で溶媒および界面活性剤や高分子分散剤の選定法,ならびに粒子の表面改質法について平易に解説いたします。
SP値 (溶解度パラメータ) は,溶媒/粒子/ポリマーの異種分散系における相溶性・分散性を評価する上で欠かせない指標ですが,実務面で必ずしも充分に活用されているとは言えません。
本講演では,分散系のぬれ・分散安定化を左右するパラメータとして,SP値を軸に表面エネルギー (表面張力) や酸塩基性なども取り上げ,その上で溶媒および界面活性剤や高分子分散剤の選定法,ならびに粒子の表面改質法について平易に解説します。
- はじめに
- 分散系の分散し難さの原因
- 分散系の性質に係わるパラメータ
SP値,表面エネルギー (表面張力) ,酸塩基性,表面静電荷など
- 混合系における熱力学
- Gibbsの混合自由エネルギー
混合エンタルピーと混合エントロピー
- 相互作用パラメータχとSP値との関係
- ポリマーの良溶媒と貧溶媒
- 相互作用パラメータとナノ粒子分散化
- SP値の基礎
- 分子間・原子間結合エネルギー
- HildebrandのSP値
- HansenのSP値 (HSP)
- 異種ポリマー混合系におけるSP値の活用
- ポリマーのSP値の求め方
- 濁点滴定による簡易測定法
- 溶解実験によるHSPの測定と溶解球の考え方
- 原子団寄与法 (GCM) による計算法
- Fedors法
- Krevelen・Hoftyzerの方法
- ポリマー系材料におけるSP値の活用
- マイクロカプセル調製における応用例
- ポリマーブレンドにおけるSP値の利用
- ポリマー相図と相互作用パラメータ
- 塗装や膜調製への応用
- 微粒子分散系におけるSP値の活用
- 微粒子表面のSP値の測定法
- 微粒子表面の性質
- 微粒子の浮上実験による簡易測定法
- 微粒子の凝集沈殿実験によるHSPの測定と分散球の考え方
- 逆相ガスクロマト (IGC) によるHSPの測定
- 微粒子を溶媒中に分散安定化させるために
- ぬれ・分散化における表面ネルギーおよびSP値の活用
- 接触角とその測定法
- Young・Dupreの式と拡張係数
- 表面エネルギー (表面張力) とSP値との関係
- 界面活性剤のHLB値とSP値との関係およびぬれ改善への応用
- 高分子分散剤による分散安定化
- 立体反発作用による安定化におけるSP値の役割
- 高分子分散剤および微粒子表面の酸塩基性と吸着機構
- 高分子分散剤の開発動向および種類と選定法
- 微粒子をポリマー中に分散させるために
- マトリックス樹脂中のシリカの分散とHansenの分散球の利用
- 高熱伝導材料中のカーボンの凝集・分散制御におけるSP値の利用
- レジンコンクリート調製におけるTeas線図の応用
- 微粒子の分散安定化のための表面改質法
- 表面改質法の目的と方法
- 表面反応法による改質
- シランカップリング法
- 表面グラフト法
- 自組織化単分子膜による改質
- まとめ