本セミナーでは、真の生理的変動、一過性の変動、採血時の変動要因、採血後の変動要因に分けて、症例を検討することで、臨床検査値の軽度変動の考察法を解説いたします。
治験の現場で症例を追跡していると、基準範囲内での変動あるいは基準範囲をわずかに超える臨床検査値にしばしば遭遇する。そしてそのわずかな異常値は多くの場合、一過性であったり、何の身体所見も伴わない。しかし、臨床検査値は客観性があるため、異常値が出現した際には「異常」であり、その解釈が必須となる。このような場合、臨床医と議論を行うと「生理的変動」や「一過性の変動」という結論となる。 臨床検査値は、採血のタイミング、採血時の体位、採血前の食事、これに加え、 採血後の血液の処理法や保存法など様々な要因で変動する。たとえば、長時間の立位が持続すると、ヘモグロビン値や血清脂質や蛋白の濃度は上昇する。この上昇は、臥位にして30分以上経過後に採血すると、ほぼ元の値に戻る。 本研修では、真の生理的変動、一過性の変動、採血時の変動要因、採血後の変動要因に分けて、症例を検討することで、臨床検査値の軽度変動の考察法を修得する。
※それぞれ症例を提示し、ディスカッション形式で研修を行う。