押出コーティング・ラミネーション技術は、溶融樹脂と基材との貼り合せ技術である。そこには押出ラミネーター、使われる原料樹脂、接着剤 (AC) ・加工技術の知見が必要となってくる。どのような機械が装備され、どのような原材料が使用され、そこで生まれる貼り合せと接着、「その加工工程で生まれる不具合・問題点は何か」。
実際、現場のラミネート工程で日常生まれる各種の問題点を具体的に挙げ、図表を中心に分かりやすく対策を紹介する。また、生産工程で「モノづくり」に必要な主なポイントを挙げ説明する。
基材・樹脂原料、インキ、接着剤、印刷・ラミ・二次加工現場、工務、生産技術、品質管理、および関連業界の方々に参加していただき、業務のお役に立てれば幸いです。
- はじめに
- 押出コーティング・ラミネーション法の各部での加工上の主なポイント
- 接着剤 (AC) の強さ、接着界面の強さ
- 押出コーティング・ラミネーションの機械構成と製品および問題点
- シングル押出ラミネーター
- タンデム押出ラミネーター
- 共押出ラミネーター
- 代表的な押出コーティング・ラミネーション用材料と不具合事例
- 代表的な押出コーティング・ラミネーション用基材とフィルム
- 代表的な押出コーティング用樹脂
- 押出コーティングにおける接着と不具合
- 押出におけるアンカー・ファスナー効果
- 押出におけるファンデルワールスの力と水素結合
- 樹脂の流れと濡れ
- 樹脂と溶解度パラメーター
- 押出における吸着と拡散
- 樹脂層間の接着強度の経時変化
- 押出ラミネート製品の接着不良箇所
- 押出ラミネート用AC剤の種類と不具合
- 押出ラミネート用AC剤
- イソシアネート系AC剤の反応と種類およびその接着力
- 押出用AC剤の特徴と用途
- 押出AC剤の主な実施例
- 押出ラミネーションでのトラブル事例
- 耳のトリミング
- ダイ・ディッケル・ロットピンによる厚み偏肉、耳高調整
- 自動偏肉制御装置の機能と効果
- 原料樹脂交換方法 (LDPE、PP、EVA、IO、EAA、EMAA)
- 工程内での印刷ピッチ調整
- 押出ライン上での帯電防止法と不具合
- 製品カール対策
- 押出ラミネーションでのオゾンガス処理加工の効果
- ノ-AC押出コーティングの有効性
- 押出ラミネーションでの主な「モノづくり」対策
- 「モノづくり」とは
- 工程中、いかに品質を作り込む
- スタート前の作業をどのように進め、コントロールする
- なぜ、最終歩留まりが大切か
- 暗黙知から形式知にどのように進める
- 何が製造を難しくしている
- 儲けるために、どうしたら良いか