システム関連の契約 (開発や保守など) の世界では、契約書を取り交わしていない段階で、ベンダーが有償での作業を進めてしまったり、あるいは、ベンダーから示された契約書に修正要求もせず押印して、契約を結んでしまうことが当たり前である。その結果として、トラブルが起きたときに不利な立場に追い込まれるユーザーが後を絶たない。その一方で、ユーザーからの度を超した要望に振り回されるベンダーも多く存在する。ユーザー、ベンダー、それぞれの立場から、トラブルを防ぐための契約書の作り方と、トラブルが起きたときの対処法を、システム関連の契約で起きがちなトラブルのシーンごとに分けて、ケーススタディー方式で解説する、実践的セミナーである。
- 契約成立・作業開始時のトラブル
- ベンダーから提示された契約書の内容を、よく確認せずに
押印してしまった
- 仕様をまとめる作業に協力してきたが、最終見積を出したら、
発注をキャンセルされた
- 作業内容変更・業務外作業のトラブル
- 発注した内容どおりの作業のはずが、追加費用を請求された
- 見積段階で想定していなかった修正や追加作業を後付けされた
- 検査・瑕疵のトラブル
- 検査に時間をかけている中で、検査合格と扱われ、以降の対応は
有償と言われた
- 納品後かなりの期間が経ってから、不具合対応を迫られた
- 代金のトラブル
- 検査が完了していない段階で、代金支払期限が来た
- 振込手数料を抜いた代金が振り込まれた
- 著作権のトラブル
- 成果物の改変や、他社への販売を制限された
- 他社案件での成果物の使い回しを制限された
- 秘密保持のトラブル
- 開示した情報が秘密保持義務の対象になっていなかった
- 下請業者が秘密情報を流出させた
- 損害賠償のトラブル
- システムの瑕疵で損害を受けたが、大部分が賠償の範囲外だった
- 契約代金をはるかに上回る損害賠償を請求された
- 契約解消のトラブル
- 納期遅れで契約を解消したら、代金を請求された
- 発注者の都合で、開発途中に一方的に契約を解消させられた
- 契約外のトラブル
- 導入を推奨された他社サービスで起きたトラブルに、
対応してもらえなかった
- 紹介した他社サービスで起きたトラブルの責任を追及された
- 質疑応答/名刺交換