「プラスチック」は我々の生活の中に浸透しており、今後開発設計される製品には、小型化、薄型化、軽量化、省電力化、機能・性能の高度化、コストダウン等の要素が強く要求されます。
製品設計者はこれら市場の要求に応えるため、「プラスチック材料」、「金型」および「成形加工」の基礎を良く理解し、設計全体のバランスを図ることが重要です。
本講座では、製品を成り立たせる「プラスチック材料」について、種類と特性および選定法をわかりやすく説明いたします。プラスチック製品は製品設計だけでなく、資材調達・成形加工・製造・品質保証・品質管理・営業などを含む全工程で成り立つものです。プラスチックのモノづくりに関わる部門の方にも本講座は役に立つものと思います。
また、国際的なプラスチック博覧会【K (ドイツ) 】、【NPE (アメリカ) 】等で入手の成形品を展示しますので、実際に見て、手にとって触って下さい。プラスチックへの理解がより深まるものと思います。
- プラスチック製品のモノづくりを取り巻く周辺環境
- 製品のモノづくり工程
(材料~設計~加工~検査~出荷~顧客)
- 製品への要求事項
(目的、機能/性能、耐久性、顧客デザイン、法規制)
- プラスチックの諸成形法
(射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、真空成形法、圧縮成形法)
- 射出成形金型と成形加工
- 射出成形金型の構造
- 2プレート/3プレート構造
- コールドランナーとホットランナー
- 射出成形金型の機能
- 流す (スプルー、ランナー、ゲート)
- 形を作る (キャビティ)
- 固める (冷却)
- 取り出す (離型)
- 成形加工
- 射出成形機の機能
- 成形サイクル
- プラスチック材料の特性と種類
- プラスチックとは?
- プラスチック材料の性質
- 熱可塑性と熱硬化性
- 結晶性と非結晶性
- 高分子構造と特性改質 (アロイ、添加剤など)
- プラスチック材料の特性
- 物理的特性
- 機械的特性
- 熱的特性
- 電気特性
- 化学的特性
- 成形加工特性
- その他の特性
- プラスチック材料の種類
- 汎用プラスチック
- エンジニアリングプラスチック
- 熱硬化性プラスチック
- 熱可塑性エラストマー
- バイオプラスチック
- 物性表の見方
- プラスチック材料の選定法
- プラスチック材料の具体的な製品用途を知る
(電気・電子・通信機器、自動車、医療、農業、容器、日用雑貨など)
- 製品に求められる要件を明確にする
- 目的
- 機能
- 性能
- 耐久性 (耐環境、諸寿命)
- デザイン (形状、重さ、外観仕上り具合など)
- 法規制
- 製品の使われるシーンの洗い出し
- 調達要件
- 成形加工要件
- その他の要件
(製造、評価、輸送など)
- 実際の適用事例 (メリット事例、トラブル事例)
- 摺動部の設計 (構造と材質) 見直しによる設計自由度向上
※従来の摺動設計から発想を変えて、設計自由度向上、
および部品減と材質統一によるコストダウンのメリット事例を紹介する。
- 製品デザインの色調と材料物性における脆性破壊
※プラスチック材料への添加剤 (色調目的) により、材料物性の劣化、
機能形状部位の破壊トラブル事例を紹介する。
- 二次加工 (印刷) における印刷方式とプラスチック材料仕様
※新印刷方式に必要なプラスチック材料仕様に伴うトラブル事例紹介、
および新印刷方式による生産上のメリット事例を紹介する。