IRスペクトル分析は試料形態を選ばない、情報量の最も多い化学・物理的な物質定性手段である。しかしながら得意であるべき化学材料分析で十分に能力を発揮しているかというと、必ずしもそうは言えない。その理由は、CPUパターン類似度判定アルゴリズム手法は異種成分混合物に対して本質から遠くにずれたHIT LISTを回答してしまうためである。機能的混合物が多い化成品が、さらに混合した異物では、全くお手上げ状態となってしまった検索システムを前に、途方に暮れた方は多いはずです。機械的IRスペクトルライブラリー検索で誰もが経験するこのような状況を打破し、研究、品質管理、材料調査実務のために役立つ、工業材料知識で裏打ちされたIR解析法を実際の対応例を含めて詳しく解説いたします。コストパフォーマンス最大のIRスペクトル分析法は、製品管理、迅速なクレーム処理、工程管理と改善、他社製品組成分析調査、特許関連事件、クレーム被害立件、加害者側説明釈明、損害賠償等で大きな力になっております。
- 異物の種類と原因物質および測定試料の前処理に関わる材料物性の理解
- 異物の種類
- 異物の発生原因物質
- 異物は工業化成品そのものである
- 合成樹脂 (プラスチックス)
- プラスチック材料用添加剤
- IRスペクトルは異物/工業材料の何を解き明かしてくれるのか
- 明瞭なIRスペクトルのための前処理技術
- 極性に係わる材料物性の理解
- 異物分析・材料分析の測定法基礎と実務にあたってのコツ
- IR分析の特徴、豊富な各種付属装置の原理
- 付属装置の状況ごとの選択と使用法
- IR測定装置と付属装置の測定限界と測定を妨害する光学歪み要因とその回避
- 正しいスペクトルを得るには
- IR分析を補足する分離手段や物理的手段
- IR分析のデータ処理、スペクトル解析、同定へのノウハウ
- 測定スペクトルのABS (吸光度) 表示に慣れよう
- スペクトル品質の改善のためのデータ処理
スムージング、ベースライン補正、フィルライン、ATR補正
- 混合物解析における成分加成性原理
- 混合成分の同定を助ける差スペクトル法データ処理
- 混合成分解析の実務、成分構造解析と組成定量
- IRスペクトル法での困難さを解決する手法ガイド-1
パターン類似物の識別
- IRスペクトル法での困難さを解決する手法ガイド-2
差スペクトル演算と逐次検索手法のポイント
- 異物のIRスペクトル解析事例 (会場でOHPにて説明)
- 実務にあたってのIRスペクトル解析ノウハウ
- ライブラリーサーチソフトウエアー
- IRスペクトルの基本的解析法
- IRスペクトル経験的解析法
- 差スペクトル活用法
- 混合物の解析手順・官能基定量・混合成分の構造推定
- 工業材料判別のためのIRスペクトル解析実務情報
- オレフィン樹脂類
- 不飽和炭化水素/芳香族系樹脂/ゴム
- アミノ樹脂
- ポリエステル樹脂類
- ウレタン樹脂類
- エンジニアリングプラスチックス類
- 無機材料
付録1 古典コルサップ表
付録2 手書き注釈入りポリマーコルサップ表