第1部:『WHO Annex 5を踏まえた非無菌製剤の換気・空調システムを含めた製造管理のポイント』
2011年に出たWHO Annex 5は初めて非無菌製剤のガイドラインとして発行されたもので、非無菌医薬品製造の管理面における空調を中核とした指針が提示されている。本指針は、どのレベルまで非無菌製剤の製造管理が必要となるかの留意点を製造設備及び施設の空調および保全の視点から述べられている。本講演では、PIC/SのGMPガイドラインを参考にしながら、WHOのGMPの基本的考え方の中から幾つかの指標となる重要事項を解説する。
今迄に公的機関から非無菌製剤のガイドラインは全く出されていなかったが、WHO Annex 5はその意味で初めての指針となるもので、国内の多くの非無菌製剤管理を如何にすべきかを模索している場合に最適な情報や参考となる考え方を入手する機会となる。
- 非無菌製剤工程における空調管理
- 製品と人員
- 空気濾過と一方向流の重要性
- 交差汚染防止
- 気流管理 (低圧の室圧差)
- 高圧差における低い気流
- バリア概念と温度と相対湿度の管理
- 塵芥管理と排気システム
- 環境管理とモニタリング
- HVACシステムと構成要素の設計監理
- 空気分散と再循環システム
- 完全な吸気システム
- 追加のシステム構成要素
- 試運転と保全管理
- 施設および建物の空調
第2部:『非無菌製剤の微生物学的品質管理と査察対応』
我が国は、2014年7月1日よりPIC/S加盟が承認された。そこで、医薬品の微生物学的管理の目的と国際調和の状況を確認する。ここでは、特に非無菌医薬品の微生物学的品質管理方法の分析法バリデーションと実施上の留意点、規格・試験方法の設定、合わせて、関連する製薬用水の微生物学的管理及び環境微生物モニタリング法について解説する。また、PIC/S加盟に伴う査察対応について解説する。
- 医薬品の微生物学的管理の目的と国際調和の状況を把握する。
- 非無菌医薬品の微生物限度試験法の分析法バリデーションと実施上の留意点並びに規格・試験方法の設定方法を理解する。
合わせて、関連する製薬用水の微生物学的管理及び環境微生物モニタリング法を理解する。
- PIC/S加盟に伴う査察対応について考察する。
- 医薬品の微生物学的管理
- 医薬品の品質保証と微生物学的管理の目的
- 日本薬局方の微生物学的試験法
- 一般試験法の微生物学的試験法
- 参考情報の微生物学的試験法
- 医薬品の微生物学的管理に関する国際調和
- ICHと微生物学的管理
- PDGと微生物学的管理
- ISOと微生物学的管理
- 非無菌製剤の微生物限度試験法
- 微生物限度試験法の国際調和の経緯
- 微生物限度試験法の国際調和における主な改正点
- 微生物限度試験法の分析法バリデーション
- 微生物限度試験の実施上の留意点
- 原料の微生物学的管理
- 製品の微生物学的管理
- 製薬用水の品質管理
- 製薬用水の種類と選択基準
- 製薬用水の日常的管理、定期的管理
- 製薬用水のサンプリング
- 製薬用水の微生物モニタリング
- 微生物モニタリングに用いられる培地と培養条件
- 微生物モニタリングに用いられる培地の培地性能試験
- 製薬用水システムの微生物に対する処置基準値と警報基準値
- 医薬品製造区域の環境微生物モニタリング法
- 環境微生物のモニタリング
- 製造環境のモニタリング関連情報の現状
- 環境微生物モニタリングの目的
- 環境微生物モニタリングプログラムの手順書
- 環境微生物モニタリング頻度
- 環境微生物のサンプリング
- サンプリング条件とサンプリングポイントの選定
- サンプリング時及びサンプリング後のサンプルの取り扱い上の注意点
- 環境微生物測定法
- 環境浮遊菌数測定法
- 表面付着菌数測定法
- 落下菌数測定法
- 環境微生物の生菌数試験法
- 環境微生物の性状検査
- 環境微生物試験法の分析法バリデーション
- 無菌医薬品製造区域の分類と環境微生物評価基準
- PIC/S加盟に伴う査察対応
- PIC/SとPIC/S加盟に向けたGMP施行通知の改正について
- ICH・Qトリオと査察対応
- 医薬品の品質保証と査察対応
- まとめと質疑応答