高薬理活性物質を取り扱うラボ、特に、分析ラボでは毒性データが十分に整備されていない段階で作業を進める必要がある。一方で、分析ラボは特殊な機器を用いるスーパーマルチパーパス設備でもある。これらを踏まえ、従業員のハザード物質への曝露を防止することと、現場のフレキシビリティ・使い勝手を確保することの2つを勘案して、封じ込め設備をバランスよく実現していく必要がある。
封じ込めの基本的な事項、健康ベースの暴露限界値の設定、ラボに特化した封じ込め設計手順、代表的な封じ込め機器、更衣室の考え方、廃液処理、薬塵測定ガイドライン、国内外でのラボの事例について紹介する。
- 高薬理活性物質と封じ込めを巡る最近の動向
- 医薬品製造工場を取り巻く動向
- 品質管理・労働安全衛生の視点からは何が重要か
- 抗がん剤サプライチェーンにおけるラボの位置づけ
- 封じ込めの基本的な事項
- 健康ベースでの曝露限界値とバンディング
- トキシコロジーの基礎知識
- 指標としてのOELの設定
- ラボにおけるコントロールバンディング
- ラボ設備における一次封じ込めの設計
- リスクベースアプローチによる一次封じ込めの設計手法
- ラボに特化した設計手法 ( NERCガイドライン )
- ラボにおける代表的な封じ込め設備
- ラボ設備における二次封じ込めの設計
- 空調設備
- 更衣室レイアウトの基本的な考え
- 更衣室レイアウトと更衣手順の事例
- 除塵方法
- 個人用保護具PPEと呼吸用保護具RPE
- ラボで用いる更衣
- リスクベースアプローチによる呼吸保護具の選定
- 廃棄物の扱い
- 高薬理ラボの事例
- 国内医薬品製造会社にみる事例
- 外国医薬品製造会社にみる事例
- 薬塵測定
- ISPEガイドラインの概要
- 各種サロゲート物質の特質
- 準備段階・サンプリング時の留意点
- ラボ用封じ込め設備での測定事例
- 測定評価について
- FAQ
【Appendix】
A-1. ラボにおける漏出 (Spill) 対応
- 漏出対策マニュアル
- スピルコントロールキット
A-2.健康サーベイランス
- 健康サーベイランス ( Health Surveillance : HS ) の位置づけ
A-3.洗浄評価に関して
- 健康ベースでの暴露限界値を用いる洗浄残留評価基準
- 今後の対処
A-4 封じ込めの新しい技術
- フレキシブルコンテインメント (FC)
- 基本的な考え、手法
- ラボにおける各種適用事例