炭素系材料は、グラファイト、ダイヤモンドをはじめとして、古くからそのユニークな物性を利用して様々な分野で応用されている。 近年では、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン等がその特異な物性から大きな注目を集めている。また、炭素系材料には、明確な結晶構造を持たないアモルファスカーボンという材料も知られており、既に多方面で応用されている。 ここでは、炭素系の薄膜材料、特に、ダイヤモンド薄膜およびアモルファスカーボン薄膜を中心に、その薄膜作製法、物性、応用について解説する。 ダイヤモンド薄膜およびアモルファスカーボン薄膜は、従来、機械的分野を中心に応用されてきたが、近年、センサー材料を指向した電気化学電極材料、あるいは、その表面を各種機能性分子で修飾することによる生物学的応用等の高機能材料としての新しい展開について検討されている。 ここでは、それらの最近の研究動向についても解説する。