高機能・高性能繊維素材の特性と複合化技術【第1回 ~有機繊維系~】

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プログラム

第1部 熱硬化性樹脂系複合材の製造法基礎知識

(2014年9月16日 10:00〜11:20)

 熱硬化性樹脂組成物の硬化挙動を主体的に解説し、それを基に真空バッグ成形、フィラメントワインディング成形 および複合材部品の接着について解説する。

  1. 熱硬化性複合材料
    1. プリプレグ
      • 織物
      • 一方向
      • セミプレグ
      • トウプレグ等
    2. 繊維/熱硬化性樹脂組成物
  2. 熱硬化性樹脂組成物
    1. プリプレグ用樹脂組成物
      • エポキシ
      • ビスマレイミド
      • ポリイミド等
    2. フィラメントワインディング用樹脂組成物
      • エポキシ
      • ビスマレイミド
      • ポリイミド等
  3. 樹脂は成形中にどのような挙動をするか
    • 粘弾性
    • 発熱
    • 縮合
  4. 複合材料製造方法
    • 真空バッグ
    • オートクレーブ
    • フィラメントワインディング
    • インヒュージョン
    • RTM
    • ブレーディング
    • プルトリュージョン
    • RFI
    • サンドイッチ成形
    • 非加熱成形
  5. 複合材部品の接着
    • 接着剤の選定
    • 接着前処理
    • 副資材の適用など
  6. 複合材の品質保証
    • 工程管理
    • 非破壊検査

第2部 パラ系アラミド繊維の製造技術・特徴・用途と複合材料への展開

(2014年9月16日 11:35〜12:55)

 パラ系アラミド繊維の製造技術概要、特徴、およびその特徴を活かして各種用途に使用されている例の紹介、および当社複合材商品白杖MyCane®等での開発事例を紹介する。

  1. アラミド繊維とは
  2. パラ系アラミド繊維の製造技術
  3. パラ系アラミド繊維の特徴
  4. パラ系アラミド繊維の用途例
    1. フィラメント
    2. ステープル
    3. カットファイバー
    4. パルプ
  5. パラ系アラミド繊維を利用した複合材の開発事例
    1. サポイン「電子線照射等により界面接着力を向上させたアラミド等有機繊維強化樹脂による耐衝撃性に優れた軽量構造部材の開発」
    2. サポイン「非磁性・非電動構造物に用いる新しい熱可塑性樹脂連続繊維補強材の開発」
    3. NEDO福祉用具実用化開発等 「革新的携帯用白杖MyCane®の開発」
  6. まとめ

第3部 超高分子量PE繊維を強化材とするPE系複合材料の創成と複合物の力学特性

(2014年9月16日 13:45〜14:55)

 超高分子量PE繊維の優れた力学特性を利用した同種異形のPE系複合材料の創成を試みた。  本複合材料の作製における最も重要なポイントである強化材としてのPE繊維とマトリックスであるPEとの接着の方法について解説するとともに、複合化された材料の力学特性を紹介する。

  1. 同種異形のPE系複合材料の概念と予想される複合材料の力学特性
  2. PEの接着剤としてのPEゲルの特性
    1. PEゲルの調製
    2. PEゲルの濃度と融点
    3. PEの有機溶媒による溶解性
    4. 接着剤としての基本条件とPEゲル
    5. PEゲルを接着剤とするPE成形物の接着
      1. 加熱温度の影響
      2. 溶媒の種類の影響
      3. PEの種類の影響
  3. PE繊維の化学的特性と接着方法
    1. PE繊維の物理化学的特性
    2. PE繊維表面への接着層形成の法
    3. 接着層形成のための温度とPE繊維強度の関係
    4. 接着層形成のための時間とPE繊維強度の関係
  4. PE繊維を強化材とするPE系複合材料の作製
    1. PE繊維表面に形成された接着層の強度評価
    2. 一方向性繊維積層複合材料の力学特性
  5. 複合材料強度の予想値と実験値との比較
    1. 複合材料強度の実験値
    2. 重ね合わせ理論による予想値との比較
    3. 他の繊維強化複合材料の強度との比較

ポイント

 本講演で示した方法によりPE繊維とマトリックス間の接着を可能にしたPE系複合材料は,PE繊維の格段に高い強度及び弾性率を反映した複合材料となる。  更に,この複合材料は強化材である繊維とマトリックスのいずれもPEからなる同種異形の複合材料である。  したがって,全ての材料がPEであることから,使用後はPEの熱可塑性を活かせばリサイクルが容易であり,また油化技術を利用すればエネルギー回収も可能である。

第4部 生物由来新素材・セルロースナノファイバーの製造と特性および複合材料化への展望

(2014年9月16日 15:10〜16:30)

 まず、なぜいま生物素材なのか?および、その特性を概説する。  次いで、天然繊維の代表であるセルロースに関して、これまで製造が困難であった「ナノファイバーとはどういうものか」 ということを概説する。次に、トップダウン的加工法として最近開発した、天然セルロース繊維を表面から分子・ナノレベルの分子集合体を引き剥がす、水のみによる微細化およびナノ分散水化法 (水中カウンターコリジョン法) およびその応用例を紹介する。  さらに、セルロースナノファイバーを用いる複合材料化について、「ナノファイバーは細ければ細いほど利点があるのか?」の観点から検討する。

  1. はじめに
    1. 考えるということ
    2. なぜ生物材料か?
    3. セルロースの階層構造形成
    4. セルロースの階層構造と機能の相関
  2. ナノファイバーとなると
    1. セルロースナノファイバーの利点
    2. ナノ素材抽出のための技術
  3. 水中カウンタ-コリジョン法によるバイオナノファイバーの創製とその性状
    • 水中カウンタ-コリジョン法の概説を中心にして
  4. セルロースナノファイバー・ネットワークへのACC法の応用
    1. マイクロビアルセルロース・ネットワーク (ペリクル)
    2. マイクロビアルセルロース・ネットワーク (ペリクル) からナノセルロースの創製
      • 還元性末端からの開裂とナノアネモネ
    3. セルロース繊維のナノ微細化とポリ乳酸とのコンポジット材料の創製
    4. ナノファイバーは細ければ細いほど利点があるのか?
  5. 今後の複合材料化の課題・展望
    1. ACC処理による竹ナノファイバーの特性
    2. その他
    3. おわりに

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