金属・無機物と高分子とは性質の全く異なる材料である。その二つの材料が界面を形成するとすれば、当然のことながら様々な界面問題を引き起こす。
しかし、 接着接合をはじめ、コーティング、印刷、封止、実装、ポッティング、樹脂成形など様々な工程で高分子と金属との界面の問題を避けて通ることは出来ない。
この講演では、界面についての考え方の基礎を提供し、界面における「相互作用」という観点から接着・密着性と接着耐久性を解説する。
- 界面相互作用としてどんなものがあるか
- 界面には必ず分子間力がある
- 分子間力の種類
- 分子間力の強さ
- 分子間力が表面張力や界面張力を生む
- 表面・界面自由エネルギーと分子間力
- 表面・界面自由エネルギーと表面張力、界面張力
- 表面・界面自由エネルギーからぬれ現象を理解する
- ぬれの評価-接触角
- 表面張力、界面張力と接触角
- 界面の相互作用エネルギーを考える
- 界面相互作用エネルギー-接着仕事
- 液体-液体の界面相互作用エネルギー
- 固体-液体の界面相互作用エネルギー
- 固体-固体の界面相互作用エネルギーをどうして決めるか
- GoodとGirifalcoの提案
- Fowkesの提案
- 北崎-畑の提案
- 吸着理論の応用
- 界面相互作用エネルギーと接着強さにはどんな関係があるか
- 接着試験法
- 界面相互作用エネルギーとはく離試験
- はく離強さに及ぼす粘弾性の効果
- 界面相互作用エネルギーとはく離強さの実測値
- 金属-高分子界面問題として接着耐久性を考える
- 金属接合物の接着耐久性に及ぼす因子
- 金属-高分子界面の特異性
- 界面相互作用に基づく接着耐久性理論
- 接着耐久性の向上策