ナノカーボン材料分散の物理化学の基礎

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カーボンナノチューブやグラフェンなどのナノカーボン材料を用いて塗布用インクやポリマー複合材料などを調製するためには、ナノカーボン材料を液体やポリマーに分散する必要がある。  既に、過去15年以上にわたり数多くの研究がなされてきたが、根拠をはっきり示さずに、「こうしたらこうなりました」的な報告が多い。  そのような例をいくら学習したとしても現在直面している問題の解法には結びつかず、成功してもその後の展開は限定されてしまう。  そこで、ここでは、ナノカーボン材料の分散に関する物理化学の基礎をまとめて解説する。  基礎を理解することで、個々のナノカーボンに対する分散法の適正性や限界が予測でき、問題解法に向けた論理的思考の基ができる。  内容は、大学の物理化学入門レベルを学習した人を対象に、大学院レベルまで拡張していく。

  1. ナノカーボンの種類
    1. なぜナノカーボンがおもしろいか
    2. フラーレン
    3. 単層および多層カーボンナノチューブ
    4. 極細炭素繊維
    5. グラフェン
  2. ナノカーボン分散の基本的操作
    1. 凝集体をほぐす
    2. 遊離したナノカーボンの分散安定化
  3. どのくらい強く凝集しているのか?
    1. ファンデルワールス相互作用とは?
    2. ナノカーボンのファンデルワールス相互作用
      1. 単層カーボンナノチューブ
      2. 多層カーボンナノチューブ
      3. グラフェン
    3. 疎水性相互作用
  4. どのくらいのエネルギーでCNTは切れるのか?
    1. 長さ依存性
    2. CNTの引張り強度
  5. ほぐす操作はどのくらいのエネルギーを与えているのか?
    1. ポリマーとの混錬
    2. 超音波照射
    3. 超音波照射の効率化
  6. グラフェンをほぐす
    1. 超音波法
    2. 酸化法
    3. インタカレーション法
  7. 速度論的安定化
    1. DLVO理論
    2. 単層CNTのShultz-Hardy則
    3. 高粘性媒体
    4. 希薄化
  8. エネルギー的安定化
    1. 静電的斥力
    2. 界面活性剤の臨界表面凝集濃度
    3. 立体障壁
    4. 汎用分散剤の例
    5. ナノカーボン特有分散剤の例
  9. 疎水性相互作用の最小化
    1. 表面粗さ
    2. 親水基の導入
    3. ポリエチレングリコール鎖の不思議
  10. 分散に向けたナノカーボンの化学反応
    1. 再現性の確認された反応
    2. マイクロ波応用
  11. 市販ナノカーボンの分散
    1. 形状の影響
    2. 欠陥の影響
    3. 不純物の影響
  12. 実用的な分散評価法
    1. 各種顕微鏡観察と試料作製法
    2. パーコレーション閾値
    3. 紫外―近赤外吸収分光
    4. レイリー散乱とミー散乱

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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