本セミナーでは、低温度域向けに絞って熱電発電技術動向や用途展開を紹介いたします。
(2014年8月29日 11:00〜12:30)
(株) KELK 熱電発電事業推進室 主査
梶原 健 氏
近年、地球温暖化の原因となるCO2削減への取り組みが色々な分野で活発に行われている。温度差による熱起電力 (Seebeck効果) を利用した熱電発電もその1つである。 熱電発電の特徴として、熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換できる、可動部がなくコンパクト、発電時のCO2排出がないなどがあげられる。応用としては、工場や焼却炉の排熱利用、移動体の排熱利用、エネルギーハーベストなど多岐にわたる。 本セミナーでは、熱電冷却 (ペルチェ冷却) としてすでに実用化され、室温近辺から300℃までの温度領域で性能が優れているビスマステルル系材料を用いた熱電発電モジュール、ユニット及び応用例について述べる。
(2014年8月29日 13:20〜14:50)
長岡技術科学大学 大学院工学研究科 教授
武田 雅敏 氏
排熱利用発電への期待が高まっている。なかでも低温 (例えば200℃以下) の排熱は,その排出量は多いものの、有効な発電方法は限られている。 熱電変換はそのような低温排熱でも発電可能であるが、一般的な熱電変換素子は機械的強度やコストの点での課題が指摘されている。 近年、柔軟なシート状のフレキシブル熱電変換素子がいくつかのグループから発表され、注目されている。 これらは、コストや量産性の点で従来型素子に比べて有利と考えられる。 本セミナーでは、フレキシブル熱電変換素子の研究開発動向、応用が期待される分野 (特に低温排熱の利用) を含めた今後の展望について述べる。
(2014年8月29日 15:00〜16:30)
(独) 産業技術総合研究所 サステナブルマテリアル研究部門 主任研究員
三上 祐史 氏
安価で豊富な元素から構成され、低温域で優れた発電性能を有するホイスラー型Fe2VAl系熱電変換材料について、粉末冶金技術を用いた材料性能の向上や、実用化に向けた熱電発電モジュールの開発について概説する。