意外と思われるでしょうが、組成物設計において固定化・保守化しがちな材料の筆頭がフィラーです。 バブル期以降「新たなフィラーを導入し、組成物の高付加価値化を図る開発姿勢」は、多くの企業から消失しました。 この背景として、ここ20年程、実効性の高い新しいフィラーの提案が成されていないという事実があります。また、少ないながらもメーカーから発表された「新規フィラー」は、フィラー開発陣の自己満足に留まるような水準を抜けられず、販売面も芳しくありませんでした。 ですから、現状を甘受したままでは、フィラー活用の方向性さえ見えにくい環境となりつつあります。 本講演ではフィラーを扱う全ての技術者に必要な「基本的知識」と「多面的情報」を、柔軟な視点で解説します。 更に組成物設計のポイントでもある「ポリマーとの界面問題」を、現実挙動との対比で考察します。 自社製品のブレークスルー実現のために、組成物技術者にとって多様な着想が生まれることを講義の目的としています。