導電性高分子の構造制御、インク化、パターン形成および複合化と高機能化 / 薄膜化合成、高導電化と技術・市場の動向

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プログラム

2010年12月8日「導電性高分子の構造制御、インク化、パターン形成および複合化と高機能化」

小林技術士事務所 所長
工学博士
小林 征男 氏

 肥塚らにより導電性高分子であるポリチオフェンを半導体層に用いた電界効果型トランジスタ (FET) が初めて作られたのは1988年である。それから12年経った2000年にはインクジェット法で全ポリマーFETが作成され、プリンタブルエレクトロニクス材料としての導電性高分子の有用性がクローズアップされ、その応用分野は有機EL、有機薄膜太陽電池へと拡大し、最近では、印刷法によるデバイスの開発が急ピッチで進んでいる。  この背景には移動度が高く、かつ耐久性の良好な新規導電性高分子の合成、および高次構造制御技術による電気伝導度および移動度の飛躍的向上、およびインク化・パターン形成技術の進歩がある。  本セミナーの第1部では印刷法によるデバイス作成に要求される導電性高分子の構造制御、インク化およびパターン形成の最近の技術開発動向を紹介する。また、導電性高分子の新たな展開として他材料との複合化による特性向上および新規応用分野の開拓がある。  例えば、導電性高分子を一成分としたブロック共重合体のミクロ相分離構造を活用した太陽電池特性の向上、カーボンナノチューブ (CNT) との複合化よる透明導電膜の高機能化および新規熱電材料への展開などが挙げられる。  第2部では、導電性高分子の複合化による特性向上および新機能の発現に関する最近の技術開発動向を紹介する。

第1部 導電性高分子の構造制御、インク化、パターン形成
  1. 導電性高分子の構造制御
    1. モルフォロジー制御
      1. 分散重合系
      2. テンプレート重合
      3. テンプレートフリー重合
        • ミセル重合 (Oil in Water)
        • 逆相ミセル重合 (Water in Oil)
      4. ブロック共重合体のミクロ相分離構造
    2. 配向制御
      1. 化学的配向
        • 基板上の自己組織化単分子膜 (SAM)
        • 配向基板
      2. 物理的配向
        • スピンコート法
        • 摩擦転写法
        • Solid-State Processing
  2. インク化
    1. 均一溶液系:導電性高分子の可溶化
      1. 前駆体法
      2. 置換基導入
      3. Plastdopant
    2. 分散溶媒系:導電性高分子のナノ粒子化
      1. ミニエマルジョン法
      2. 再沈殿法
      3. その他の方法
    3. インク組成の適正化
    4. インク性能評価法
  3. パターン形成
    1. アディティブ法
      1. インクジェット法
      2. マイクロコンタクト法
      3. その他の方法
    2. サブトラクト法
      1. 湿式法
      2. 乾式法
    3. 重合パーニング法
  4. 印刷法で作製されたデバイス特性
    1. トランジスタ
    2. 太陽電池
    3. EL
    4. エレクトロクロミック素子
第2部 導電性高分子の複合化と特性向上
  1. 他ポリマーとの複合化
    1. D/A交互共重合体の太陽電池への応用
    2. ブロック共重合体のミクロ相分離構造の活用
    3. 水素発生材料
  2. CNTとの複合化
    1. 透明導電膜
    2. 熱電材料
  3. 金属酸化物との複合化によるス―パーキャパシタへの応用

2010年12月9日「導電性高分子の薄膜化合成、高導電化と技術・市場の動向」

第1部 超音波場、遠心場、超臨界流体ならびにイオン液体を反応場とする導電性高分子材料の電解合成

(2010年12月9日 10:45~12:15)

横浜国立大学 大学院環境情報研究院 人工環境と情報部門
大学院環境情報学府 環境システム学専攻 教授
博士 (工学)
跡部 真人 氏

 芳香族化合物の酸化重合によって生成する導電性高分子は多様な化学的、物理的有用特性を有することから機能性材料として広範な分野で注目されており、また一部は実用化もされている。  導電性高分子材料のこのような特性・機能は薄膜化によって一層顕著に発現される場合が多く、そのため導電性高分子膜の製造技術は産業上極めて重要である。  これら導電性高分子を膜材料として得るためには、一般に電解重合法が用いられる。しかしながら、その他の物理・化学構造や秩序性は膜材料の合成時に非蓋然的に決定され、また電解重合の駆動エネルギー (電気化学エネルギー) 自身の制御、すなわち電流密度や電極電位の制御による重合膜構造の制御範囲も狭い。  さらには多くの導電性高分子は溶媒に対して不溶であることから合成後の成形加工も困難となってしまう。  つまり、高分子膜合成過程と膜構造制御過程を同時に行ういわば構造制御型電解重合法の開発は非常に重要な課題といえる。  一方、超音波や遠心力などの力学エネルギーは電解重合を直接駆動させるものではないが、電気化学エネルギーに重量して印加すれば、電気化学エネルギーだけでは不可能な重合膜物性の制御が達成される。また、特異なメディア効果を
有するイオン液体や超臨界流体の利用も、重合膜物性の新規制御法として期待できるものである。

 本講演では構造制御型電解重合法の開拓を念頭に置き、演者らが実施した特殊な環境場や媒体を利用した導電性高分子の電解合成について紹介したい。

  1. はじめに
  2. 超音波照射場における電解重合
    1. 超音波とは?
    2. 超音波照射下での電解重合
    3. 超音波効果を活用する導電性高分子/カーボンファイバーナノ複合材料の創製
    4. 超音波乳化を活用する水電解液中での疎水性モノマーのエマルション電解重合
    5. パルス-ソノエレクトロケミカル法を用いる導電性高分子マイクロボールの電解合成
  3. 遠心場における電解重合
    1. 遠心場とは?
    2. 遠心場を活用する電解重合制御
    3. 遠心場における電解共重合反応
  4. イオン液体中における電解重合
    1. イオン液体とは?
    2. イオン液体を電解媒体とする電解重合
  5. 超臨界流体中における電解重合
    1. 超臨界流体とは?
    2. 超臨界流体を電解媒体とする電解重合
    3. 超臨界流体中でのテンプレート電解重合を用いる導電性高分子ナノシリンダーの創製
  6. おわりに
第2部 導電性高分子 (PEDOT) の特性、高導電化と技術、市場の動向

(2010年12月9日 13:00~16:30)

日本先端科学(株) 常務取締役
元バイエル/スタルク
橋本 定待 氏

 PEDOTの最先端の分野でのアップデートした応用また各社の使用実例を判り易く説明します。  PEDOTの高導電化については開発動向に着目します。

  1. PEDOTの特性と構造
  2. PEDOTの応用分野・使用実例
    1. 有機ELにおけるPEDOTの適用
    2. 薄膜太陽電池・色素増感型太陽電池におけるPEDOTの適用
    3. タッチパネル 電子ペーパー エッチング剤
    4. リチウムイオンバッテリーの正極材への展開
    5. エネルギーハーべスト
  3. 高導電PEDOTの開発
    1. 超音波重合法
    2. 超臨界重合法
    3. 2次ドーパントの研究
  4. 市場の動向と今後の予測

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