第1部:毛髪ダメージ実感ポイントと商品開発への応用
物理的・化学的刺激は毛髪特性に変化を及ぼします。ヒトはこれら毛髪特性の変化を意識的、又は無意識のうちに感じ取り、毛髪ダメージとして実感します。
本講演では、毛髪を触った時の触感としての毛髪の硬さ・柔らかさ、パサつき感の実感ポイントと、それに結びつく毛髪特性・毛髪構造について概説します。また、これらダメージに対するケア技術についても紹介します。
第2部:毛髪の機器測定・評価法の実際~ダメージの定量化と留意点~
機器測定の目的は、①毛髪ダメージを多面的かつ定量的に評価すること、②得られた結果を総合的に考察して現象の本質を捉えること、③その知見を技術開発、商品開発に生かすことです。
しかしながら、測定対象である毛髪は生体試料であることから個体差が大きく、測定結果のばらつきを抑えることが重要となってきます。
本講演では、サンプル調製時や測定時に押さえておいた方が良いと思われる事項など、実際に行ったダメージ解析を例に概説します。
イントロダクション
- 美しい髪とは?
- 毛髪概要 (資料のみ、講演では時間の関係上割愛させていただきます)
- 毛髪の構造、組成と機能
- ダメージ要因と毛髪構造・物性の変化
- パーマ
- ヘアカラー
- 太陽光
- 熱、洗髪行動
- ダメージ要因、毛髪構造・物性の変化とダメージ実感との関係
第1部:毛髪ダメージの実感ポイントと商品開発への応用
- 髪のパサつき感/うるおい感を支配する因子と評価法
- パサつき感の実態
- 官能評価および感触と視覚の相互想起について
- 対応する毛髪構造、物性の特定
- 技術開発
- 触感として実感する髪の硬さ・柔らかさ
- 実態観察と実感ポイントの把握
- 対応する毛髪構造、物性の特定
- 技術開発
第2部:毛髪の機器測定・評価法の実際~ダメージの定量化と留意点~
- 毛髪の機器測定
- 機器測定の前に考えておくこと (何のために測定するのか、どこまで測定するのか)
- 種々の毛髪物性測定方法とその特徴
- 測定方法選択のポイント (何を知りたいか、測定部位は、構造の大きさは)
- 測定結果のばらつきに及ぼす毛髪特性 (部位差、ダメージ度など) とサンプル調製の留意点
- 結果の取り扱い (特異値の取り扱い、統計処理による考察など)
- ダメージ損傷測定の実例と商品開発への応用
- 太陽光ダメージ
- 観察 (目視、SEM)
- 接触角
- TOF-SIMS
- 引張強度
- 摩擦
- (ブリーチ+洗髪) ダメージ
- 観察 (目視、AFM、ASE-SEM)
- 動的粘弾性
- DSC
- 微小引張
- 熱移動特性 (qmax) 、毛流れの可視化