本セミナーでは、日米欧中アジアの主要な化学物質規制法と、製品含有化学物質規制法について、化学物質規制の全体像を把握できるように解説いたします。
化学物質に関する法規制はEUのREACH規則や日本の化審法などの「化学物質規制」とEU RoHS指令、中国やアセアンRoHS法など「化学物質含有規制」に大きく分けられます。法規制対応には「情報伝達」と「サプライチェーンマネジメント」が必要となります。 化学物質に関する規制法は、パソコン、携帯電話や産業機械などの製品にも適用される幅広いものです。 これまで、化学物質を意識していなかった製品も多く、戸惑いが広がっています。 ことに最近はEU RoHS指令の要求が変わり、日本企業のサプライチェーンに大きな影響を与えています。化学物質を直接扱っていないサプライチェーン内の企業にとって、情報伝達や川上のサプライヤー管理が大きな課題になっています。 化学物質規制の潮流は、「化学物質の規制」 (ハザード管理) から「化学物質の使い方規制」 (リスク管理) に重点が移っていますので取り組みに迷いが生じがちです。 サプライチェーン管理は、企業活動のグローバル化で中国、韓国だけでなくアセアン諸国の規制にも対応が必要となります。 化学物質に関する法規制やその求められる対応は日々の如く変化しています。変化に追われて対応するとムダやムリが生じます。規制の本質を理解し、知恵を出して効率的な対応をしなくてはなりません。 一方で、現実的な課題もあります。安全、安心の製品に要求は諸国で高くなっています。EUでは2013年2月13日にEU委員会は「単一市場内で循環する消費者製品の安全性を向上させ、ステップアップするために第三国から輸入も含めて、すべての非食品等に関する市場監視の新しいルール」を提案しました。 このパッケージ提案は消費者保護を強化し企業のために公平な競争の場を作るもので、食品以外を対象として2015年1月の発効を目指しています。NLF (New Legislative Framework) の対象指令としてEMC指令や低電圧指令などが4月に追加されCEマーキングは768/2008/EC (製品のマーケティングに関する共通枠組み) が適用され、消費者向け一般製品を含めて 市場監視が765/2008/EC (製品のマーケティングに関する認定及び市場監視の要求) も強化されてきています。 1990年代の初めからRoHS指令、ELV指令に代表される川中、川下企業の化学物質管理活動が始まり、紆余曲折しながらも対応ができるようになりました。 しかし、当時の担当者は退職、人事異動などで担当者は変わってきて、法規制の変化もあり、昨今再び対応に苦慮する企業が増えてきています。 このような状況のなかでの企業担当者の様々なニーズに応えるために、主要な化学物質に関する規制の概要を類似法を並べる方式で整理して知識を広める講座を開催します。