本セミナーは、リチウムイオン電池「電解液」&「バインダー」セミナーを2テーマセットにしたコースです。
セット受講で特別割引にてご受講いただけます。
通常受講料 : 102,600円(税込) → 割引受講料 76,950円(税込)
通常受講料 : 95,000円(税別) → 割引受講料 71,250円(税別)
(2014年07月17日)
(2014年7月17日 10:30〜11:45)
森田化学工業 (株) 取締役 堀尾 英博 氏
Liイオン二次電池関係の電池そのもの、さらに電池材料は、既に大幅な供給過多状況にあり、電解液も例外ではない。とくに中国で、その状況が顕著となっている。 本セミナーでは、そんな供給過多の状況を生み出した原因と現状、そして今後の動向について述べる。
(2014年7月17日 12:25〜13:40)
静岡大学 大学院 工学研究科 電子物質科学専攻 准教授
田中 康隆 氏
電解質の難燃化は本当に必要なのであろうか? 言いかえると、燃えない電解質だけで電池は安全だろうか? 高いエネルギー密度を持つ電池のエネルギーが一番高い状態であれば、つまり満充電状態であれば、燃えない電解質を用いても爆発や燃焼が起こってしまうのではないか? この様な自分自身への疑問を持ちながら、液体電解質の難燃性向上を含めた、液体電解質材料分子の分子設計方法を中心に述べる。 われわれの液体電解質材料分子の分子設計と評価の手順は、 (1) 目的の物理的、化学的、電気化学的性質が期待される分子の分子式を経験を元に紙の上に描いてみる、 (2) その分子の分子軌道計算等の量子化学計算を行い、目的の性質を有するかどうかを評価する、 (3) 目的の性質が期待できる場合は合成法を検討する、 (4) 実際に合成・精製を行なう、 (5) 種々の分光器を用いて化学構造の確認を行なう、 (6) 合成した分子で電解質を調整し電気化学セル中で目的の性質を発揮するかどうかを評価する、 (7) 調整した電解質を電池で評価する、 (8) 電解質の難燃性を特に議論するのであれば燃焼試験を行なう、である.この順番に沿った講義を行なう。
(2014年7月17日 13:50〜15:05)
群馬大学 理工学部 環境創生理工学科 教授
鳶島 真一 氏
リチウム電池用電解液は性能劣化や安全性とも密接な関係を持つ重要な電池構成材料である。 現状のリチウム電池用電解液の特性は改善の余地がある。電解液を工業製品化するためには基礎電解液に不足している機能を補填する必要がある。 このために有用なのが電解液添加剤である。 本報告では電解液添加剤の機能と種類について概説する。
(2014年7月17日 15:15〜16:30)
関西大学 化学生命工学部 教授/先端科学技術推進機構 機構長
石川 正司 氏
イオン液体はキャリア密度が高く、無溶媒でも液体であるため、引火の心配がない安定で高性能な蓄電地が期待される。 しかし高粘度による抵抗の懸念、酸化や還元に安定なのか、といった疑問も少なくない。 本講演では、FSIアニオンを用いたイオン液体電解液が添加物を一切必要とせず、リチウムイオン電池の充放電を可能する例を示す。この系は高粘度にもかかわらず、通常電解液を凌駕する速度特性を発揮する。 このような高性能は、FSIが関わる特異な界面に起因することを説明し、さらにこの特異な挙動を適用した含溶媒FSI電解液系についても紹介する。
(2014年07月28日)
(2014年7月28日 10:00〜11:30)
神奈川大学 工学部 物質生命化学科 准教授
兼
神奈川大学リチウムイオン二次電池オープンラボ ラボ長
松本 太 氏
現在、リチウムイオン2次電池の開発現場では高エネルギー密度をもつシリコン負極活物質に、注目が集まっている。 本講演ではバインダーの種類の関係、製膜された負極膜の形状と電池特性の関係などについて、シリコン負極活物質やCMC (カルボキシメチルセルロース) バインダーを中心に最近のデータを示しながらその特徴と問題点について述べる。
(2014年7月28日 11:40〜13:10)
日本ゼオン (株) エナジー材料事業推進部長
脇坂 康尋 氏
バインダーは単に「結着する」という機能以外に、塗料化、塗工などのプロセスにおける機能、電気化学的な安定性などに起因する電池特性への機能など様々な役割を持つ。 本講演では、電池の寿命劣化への影響を踏まえ、バインダーのプロセス的な役割、電池内部での電気化学的な特性を解説する。 特に、プロセスが異なる事で電極内部で劣化がどうの様に進むのか、そのセル内部での影響などを解説する。 さらに、耐熱セパレーターに用いられる特殊なバインダーによる寿命劣化抑制な最新技術動向も交えてど詳しく解説する。
(2014年7月28日 13:50〜15:20)
株式会社I.S.T 主任研究員
藤原 花英 氏
リチウムイオン電池の高容量化に向けて合金活物質を利用した負極の開発が活発に行われている。 特にSi系活物質は炭素系活物質に比べ5倍以上の理論容量があると言われているが、自身の体積変化により集電体に繋ぎとめることが難しい。このSi系活物質のバインダーとして有効といわれているのが機械的物性に優れたポリイミドである。 本講演では、ポリイミドの基礎知識から、ポリイミドバインダーの利用方法、電池性能などについて述べる。
(15:30~17:30 間に5分程休憩を含む)
(独) 産業技術総合研究所 関西センター 関西産学官連携センター イノベーションコーディネータ
境 哲男 氏