「技術に優れた日本のリチウムイオン電池が、その座を韓国メーカーに奪われた」。はたして本当か。SONYの開発から20年以上を経て、10年以上にわたって創業者利益を享受した日本の電池とその材料メーカーが、何時までもトップにいる必然性は何処にもない。 日本の工業製品の大事な顧客である韓国、中国その他の国との、国際分業に移行するのは当然であろう。 では、もう日本のリチウムイオン電池と材料メーカーは食えないのか、衰退に向かうのか。 これは、例えば民生用の小型電池だけを考えれば然りである。電池は電池だけでは何の価値もない。 応用分野の多様性と、その中での新たな価値の創出が伴えば、電池は不可欠なデバイスとして、さらに利益の期待できる製品である。 本セミナーでは、中小型ではEVを除く自動車分野、アシスト自転車、電動工具、スマホ用など。大型分野では自然エネルギー蓄電、交通機器 (回生) 、災害対応機器など、高付加価値リチウムイオン電池の展望を、特性、開発、製造、コストと市場などの切り口で紹介する。 安全性が高く、長期の使用に耐えるリチウムイオン電池の設計・製造は外国技術のまねではできない。 安全性など困難な試練を乗り越えれば、日本の電池は世界から求められ、中長期の利益が確保可能である。可能な限り定量的なデータ解析から、上記の点をセミナーで紹介する。
(2014年6月12日 10:30~12:00)
東京大学 特任准教授 総長室 総括プロジェクト機構
電力ネットワークイノベーション 総括寄付講座
工学系研究科 システム創成学専攻 (兼任)
田中 謙司 氏
(2014年6月12日 13:00~15:10)
泉化研 (株) 代表
菅原 秀一 氏
(2014年6月12日 15:20~16:30)
(株) 野村総合研究所 グローバル製造業コンサルティング部
藤田 誠人 氏
※ プログラム充実のため内容が変更になることもあります。