粉体は固体の大きさを小さくした集合体である。固体塊の有する欠点を解消できるものの、同時に新たに生じた欠点も有している。 その主なものは流動性の低下である。流動性の低下は計量、充填、混合などの操作の効率を低下させるばかりでなく、固結、変質などの問題を引き起こす原因ともなる。 固結はプロセス効率の低下、製品品質の低下、自動化への障害などをもたらす。この現象は、単に粉体の物性、特性だけによるものではなく、環境などの諸条件が重なって発生するため、そのメカニズムは複雑である。 また、対策に当たっては十分な原因追求が行われることは少なく、経験に基づき個々に現場対応で行われることが多い。そのため、情報の蓄積は非常に少なく、ある程度、基本的なメカニズムは解明されているものの、有効な予防策を採れないまま、同様のトラブルを繰り返しているのが実状であると思われる。 トラブルの低減を図るにはまず、共有できる情報量を増加させることが必要であると考えられる。 そこで、本セミナーにおいては一般的な固結現象に関する最近の論文、報告などからの情報をまとめ、解説することとする。