商品開発では機能と価格以外の価値として、今日、感性価値が注目されています。その感性価値を実現する方法として、感性工学の考え方があります。 本講習では、まず、感性工学について、その始まりからその内容について解説します。 次に、デザインに関する感性を解明する手法として、近年研究の進展が進んできている人間の曖昧性を分析する手法であるソフトサイエンスの中の区間分析とラフ集合について分かりやすく解説します。 さらに、それらの手法を用いて、化粧品パッケージのデザイン評価法について解説します。その内容は、つまり、パッケージデザインの評価は、それを見てすぐに感じられる人の無自覚過程の結果です。それは可視化されていないため、デザイナーらは要求項目を把握できません。もし、その消費者の認知モデルが明らかになれば具体的なデザインの知識となります。 そこで、パーソナル・コンストラクト理論の認知モデルを基に、区間回帰分析とラフ集合を用いた方法について解説します。 最後に、感性研究の最新の流れについて、商品やサービスとその開発を取り巻く環境として、経験価値やインサイト、わくわく感の消費社会モデルの視点から説明します。