粉体を取り扱うと必ず問題となるのが「付着」です。この付着のし易さを表わす言葉が「付着性」ですが、この「付着性」は「付着力」と混同されているようです。
そこで本講座では、まず、「付着性」と「付着力」の関係を整理してみます。
その上で、装置壁にくっつく「付着」や粒子同士の付着である「凝集」、その両者が関連する粉体の「流動」について、現象の実際と実操作での例を交えて、それら物性が働くメカニズムやその測定・評価方法、また、測定・評価した付着性、凝集性、流動性等を基に粉体ハンドリングをどう効率よく行っていくべきなのか?
またそれらの物性が基となるハンドリングに際してのトラブルをどう回避、対処していくべきなのか?等などについて、その考え方を概説します。
- はじめに
- まずおさえておきたいこと:粒子径とその分布
- 付着、凝集、分散の実際
- 粉体の付着性とは
- 付着力
- 種々の付着力
- 付着力の比較
- 付着力と付着性の違い
- 付着力、付着性と流動性の測定・評価
- 付着力の測定法
- 付着特性の評価法と評価実例
- 流動性の評価法
- 付着が関与する粉体操作
- 凝集粒子の分散
- 種々の分散機
- 分散操作の考え方
- 凝集体に働く力
- 粒子分散の実際
- 分散モデルの分散結果への適用事例
- 乾燥ナノ粒子の液中分散
- 粒子の空気輸送 (配管内での粒子付着)
- 飛散現象とそのモデル化
- 付着微粒子の除去技術
- その他操作
- 供給操作の実際 (スクリューフィーダー供給特性と粉体付着特性の相関)
- 圧縮成型操作 (ナノ粒子の圧縮成型)
- 流動性の改善法
- まとめ (付着が関与する粉体操作の考え方)