本セミナーでは、CNT利用による高性能化、自動車エネルギー回生用途等などキャパシタ技術動向を解説いたします。
(2014年6月25日 11:00〜12:30)
森本技術士事務所 代表 森本 剛 氏
キャパシタは急速充放電が可能で,高い信頼性を有する二次電源を総称し,電気二重層キャパシタ (EDLC) ,レドックスキャパシタ、ハイブリッドキャパシタに分類される。 EDLCは,最初に工業化されたキャパシタであり、二次電池と比較して出力密度が高い,寿命が長く高い信頼性を有する,等の長所を有するが,エネルギー密度が低いという短所がある. ハイブリッドキャパシタの一種であるリチウムイオンキャパシタ (LIC) は、EDLCとリチウムイオン電池のそれぞれ正極と負極を組み合わせて 構成される新型キャパシタであり、LTO系LICと炭素系LICの2つが工業化されつつある。いずれもEDLCの優れた特性を保ちながら,エネルギー密度をEDLCよりも2~4倍向上させたものであり,EDLCが保有するエネルギー密度では,適用が困難であった新たな用途を開拓するものと期待される. これらキャパシタの構成、材料、特性等技術開発の現状について述べるとともに,今後の技術開発の動向について述べる。
(2014年6月25日 13:20〜14:50)
日本ケミコン (株) 技術本部. 末松 俊造 氏
本講座では、カーボンナノチューブ (CNT) を電極材料として用いた電気二重層キャパシタについて講演する。 特に電極材料としてのCNTの特長、従来の活性炭電極とは全く異なるユニークな電極作製技術、CNTキャパシタの性能面での優位性を中心に説明する。
(2014年6月25日 15:00〜16:30)
マツダ (株) 電気駆動システム開発室 高橋 正好 氏
マツダは、技術開発の長期ビジョンであるサステイナブル“Zoom-Zoom”宣言に基づき「ビルディングブロック戦略」を推進している。 新世代技術「SKYACTIV TECHNOLOGY」で、クルマの基本性能となるパワートレインの効率改善や車両の軽量化などのベース技術を徹底的に改善し、段階的に電気デバイス技術を組み合わせて、CO2の総排出量を削減していく。 そのSTEP2 (Fig.1内) となるクルマの減速時に発生するエネルギーを電気として回収し、クルマが必要とする電気エネルギーとして再利用する新たな減速エネルギー回生システム“i-ELOOP” (intelligent energy loop) を開発した。 既に何度か減速回生技術“i-ELOOP”とキャパシタとの関わりについてお話ししたが、今回はハイブリッドシステムとのかかわりと大容量キャパシタ及び二次電池への期待について紹介したい。