本セミナーでは、水処理膜、膜を用いた水処理プロセスで、日本がイニシアティブをとるために検討が進む膜・処理プロセスの国際標準化の最新動向および、水処理膜の開発・適用状況、さらなる高性能化へのアプローチについて、4名の講師が解説いたします。
(2014年6月18日 10:30〜11:40)
(一社) 膜分離技術振興協会 排水・再利用委員会 委員長 大熊 那夫紀 氏
膜分離技術振興協会で実施している水道用膜の規格及び認定事業、JISの膜用語を紹介する。また、国際標準化の基礎と使い方についても概要を紹介する。 さらに、水再利用の市場と技術の現状、水の分野で日本が初めて幹事国となった、2013年6月に設立が決定したISO/TC282「水の再利用」の概要と進捗状況、MBRの国際標準化の進捗状況についても最新動向を説明する。
(2014年6月18日 12:20〜13:30)
日東電工 (株) メンブレン事業部 開発部 部長 新谷 卓司 氏
近年、膜法を用いた分離精製が盛んに行なわれるようになってきた。特に超純水の製造から海水の淡水化さらには排水処理に至るまでその用途用法に応じた膜の研究開発がなされ、膜の性能も飛躍的に進歩した。 また、近年地球規模での水質汚染の拡大や人口増加と共に水不足が懸念され造水分野を初めとして無くてはならないものとなってきている。 一方で原水水質の悪化に伴いRO膜へのファウリングリスクは更に増大すると考えられる。ここではこういったリスクに対応する水処理膜・エレメントの開発動向と高性能化について紹介する。
(2014年6月18日 13:40〜14:50)
東洋紡 (株) アクア膜事業部 主幹 熊野 淳夫 氏
逆浸透 (RO) 膜は、水資源開発手段として、海水淡水化や排水・再利用分野に実用化されている。 一方、RO膜の運転の効率化のためにはファウリングの抑制が重要な課題である。RO膜のなかでも中空糸型RO膜は耐ファウリング性に優れるという特長があり、その特長を活かして中東湾岸諸国で海水淡水化用として広く用いられている。 ここでは、中空糸膜RO膜モジュールの開発事例とその実用例と運転事例を紹介すると共に、低圧用の中空糸型RO膜とそれを用いた新しい応用分野についても紹介する。
(2014年6月18日 15:00〜16:10)
住友電気工業 (株) 水処理事業開発部 技術部 主幹 井田 清志 氏
排水処理、再利用ニーズの高度化に伴い、従来以上に高精度、高効率のろ過技術が求められている。 これに応えるため、耐久性に優れたPTFE製中空糸膜モジュールを用いた水処理システムが他方面で実用化されており、また性能改良も進んでいる。 その概況につき、業界関係各位ご紹介し、さらなる用途拡大のためのヒント、情報公開の場としたい。