変容する中国の環境規制 現状とその対応策

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本セミナーでは、中国における環境汚染の実態と水質・土壌汚染の法規について詳解いたします。
また、水ビジネスの市場と法規との関連についても解説いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 (10:30~11:45)

中国における環境汚染の実態と法規制の動向
~水・土壌汚染を中心に~

第1部 講師

大阪市立大学大学院
経営学研究科
環境政策論
特任教授
畑 明郎 氏

 経済成長著しい中国では、生産第一主義で公害対策はおざなりにされてきた。その結果、水質汚染・土壌汚染・大気汚染などが深刻になっている。河川や湖沼の大半が汚染され、全国の農地の2割が土壌汚染され、大都市の大気汚染もひどい状況である.水・土壌・大気の汚染は、「がんの村」、「イタイイタイ病」、「ぜんそく」などの公害病を多発させている。  本講座では、中国南部の長江流域、珠江流域を中心に水・土壌・大気などの汚染調査結果を紹介するとともに、中国政・省の研究機関との交流と「土壌汚染防止法」立法などの環境法規制の動向を紹介する。

  1. 中国の環境汚染の現状
    1. 水質汚染
    2. 土壌汚染
    3. 大気汚染
  2. 広東省の環境汚染
    1. 水質汚染
    2. 土壌汚染
    3. がんの村
    4. 広州の大気汚染
  3. 湖南省の環境汚染
    1. 洞庭湖の水質汚染
    2. 土壌汚染
    3. 長沙の大気汚染
  4. 湖北省の環境汚染
    1. 武漢の大気汚染
    2. 大冶の環境汚染
  5. 江蘇省の環境汚染
    1. 太湖の水質汚染
    2. 土壌汚染
    3. 南京・上海の大気汚染
  6. 日本と中国の環境汚染対策の比較
    1. 環境法体系
    2. 公害防止対策
  7. 中国の環境汚染対策への提言
    1. 環境法政策
    2. 土壌汚染防止立法

第2部 (12:15~13:30)

中国とアジア諸国における土壌汚染法規と企業に求められる対応

第2部 講師

DOWAエコシステム(株)
ジオテック事業部
次長
西山 徹 氏

 海外に工場を持つ企業にとって、土壌汚染対応は頭の痛い問題です。ひとたび問題が発生すれば、莫大な出費を強いられることにもなりかねませんが、生産に直結しない問題であるために対応は後手になりがちです。また、法の整備状況や内容も国によって異なるため、「各国の基準に従うように」と本社から指示を出しても、何ら解決にはなりません。  本講座では、中国のみならず、アジア諸国の土壌汚染法規の概要について紹介した上で、実効性のあるリスク回避のために企業はどのように対応すべきなのか、ローカルとグローバルの立場から分かりやすく解説します。

  1. 土壌汚染概説
  2. アジア諸国における土壌汚染法規
    1. 中国
    2. 台湾
    3. シンガポール
    4. タイ
    5. インドネシア
    6. その他諸国
  3. グローバル環境マネジメントの考え方
  4. 企業における土壌汚染対応の実務
    1. 自社工場における対応
    2. 工場建設時の対応
    3. 企業買収時の対応 (環境デューデリジェンス)

第3部 (13:40~14:55)

中国の水質環境規制強化の最新動向と水ビジネス市場の展望とその対応

第3部 講師

神鋼リサーチ(株)
営業企画部
上席研究員
章 燕麗 氏

 中国では「中華人民共和国水質汚染防止法」の改正版が2008年6月1日から施行された。新しい法の施行に伴い、一連の汚水排出基準の見直しや制定などが行われ、水質関連法整備が一段厳しく強化された。  本講義では法改正の内容やポイントなどについて紹介する。また、中国政府が実施している環境政策や環境計画などを紹介するとともに、今後中国の環境産業の発展や水ビジネスの可能性と市場対応などについて整理する。最後に、現地ヒアリング結果による中国市場における日本及び欧米の環境関連ビジネスモデルについて紹介する。

  1. 中国が抱える主な水質環境問題
    1. 水資源の不足
    2. 水資源の浪費
    3. 水質環境汚染の深刻
    4. 水質汚染事故の多発
  2. 近年中国の水質環境規制強化の動き
    1. 水質環境関連政策と実施計画
      • 水質関連の「十一・五」計画の実施について
      • 水質環境保全目標設定のフロー
    2. 近年の環境保護投資推移と今後の予測
      • 中国の5カ年計画毎の環境保護投資額
      • 環境汚染防止投資額の推移
    3. 中国の水質環境関連の法整備の現状
      • 中国の環境法体系
      • 中国の環境関連法
      • 事業実施時の主要環境管理制度
      • 主な環境汚染管理制度の概要
      • 中国の行政区画
      • 中国の環境管理行政体制
      • 中国の水質行政の監督・管理体制
    4. 水質汚染防止法 (2008) の改正
      • これまでの制・改定について
      • 水質汚染防止法規定項目の新・旧版の比較
      • 違法に違反した場合の新・旧版の比較
      • 水質汚染防止関連法規の見直し
      • 汚染物排出許可証管理条例 (意見徴収稿2008)
      • 中国環境統計データの収集の強化
    5. 今後の水質汚染対策計画について
      • 水質関連第十二次五ヵ年計画の構想
      • 今後の水質汚染対策計画 (2008-2020)
  3. 排水基準の制定・見直しに関する動き
    1. 中国における汚水排出基準の体系
    2. 新しい国家業種汚水排出基準と一部地域限定の特別規制
      • 特別排出規制値に適用する太湖流域の行政区のリスト
      • 電気鍍金汚染物質排出規準 (GB21900-2008) (事例)
    3. 新しい地方基準の見直しとその特徴
      • 地方汚水排出基準の制定について
      • 新しい地方基準 (天津市・遼寧省) の見直しとその特徴
      • 国と天津市の汚水綜合排出基準の比較
    4. 製薬関連汚水排出基準の事例紹介
      • 発酵類製薬工業
      • 化学合成類製薬工業
      • 抽出類製薬工業
      • バイオ工学類製薬工業
      • 混装製剤類製薬工業
  4. 中国の環境産業発展の現状と市場の対応
    1. 中国環境産業発展の現状と展望
      • 中国環境産業の特徴
      • 水質環境関連産業技術市場の現状
      • 「十一・五」 (2010) 末の環境産業生産高の予測
      • 「十二・五」 (2011~2015) 省エネ・環境産業規模の予測
    2. 中国における下水処理施設および市場の状況
      • 近年の中国汚水排出総量の推移
      • 十一・五規画期間 (2006~2010) における全国各地の下水処理場の新設・増設・改造計画 (目標)
      • 都市下水処理場の設置数と下水処理能力
      • 中国各地の水道と下水道料金の比較
      • 工業廃水処理設備の設置数と工業排水量の推移の推移
    3. 中国の官需、民需に関する水ビジネススキーム
      • 政府など公的機関が直接発注する場合のイメージ
      • BOTによる発注する場合のイメージ
      • 民間企業が発注する場合のイメージ
    4. 中国市場における日本及び欧米の環境関連ビジネスモデルについて
      • 製品コストについて
      • 販売方策について
      • 製品投入・市場開拓について
      • 経営体制・経営判断について
    5. まとめ
      • 短期的な取り組み
      • 中・長期的な取り組み

第4部 (15:10~16:30)

新規化学物質環境管理弁法の概要

第4部 講師

ハヤシビジネスサポートオフィス 代表
工学博士
林 譲 氏

 中国版REACHとも言われる新化学物質環境管理弁法が10月15日から施行されました。日本企業は、中国の代理人に委託して、輸出前に登記しなくてはなりません。分類、表示、SDSについては、国連パープルブックを基本としているが、中国固有の要求もあります。
中国は日本企業にとって重要な市場であり、大きく動く中国の化学物質規制政策を知ることは不可欠であります。EUのREACH規則は、最初の登録期限がすみましたが、本弁法はEUのREACH規則の要求内容に類似した点があります。  このセミナーでは、EU REACHと比較して本弁法のポイントを解説します。

  1. 適用範囲
    1. 申告物質の範囲
    2. 地域、活動範囲
    3. 申告人と代理人
  2. 申告物質の種類と形式
    1. 申告の種類
    2. 通常申告
    3. 簡易申告
    4. 科学研究記録申告
    5. 申告の取り消し
  3. 申告書類の要求事項
    1. 書類の形式要求
    2. 申告データの要求事項
    3. リスク評価報告の要求
    4. 情報の秘密保持要求
  4. ポリマーの特別規定
    1. ポリマーの命名
    2. ポリマーの簡易申告
    3. ポリマーの通常申告
  5. 申告後の監督管理
    1. 登記証上の情報変更
    2. 新情報の報告
    3. 情報伝達、報告と資料保存
    4. 登記物質の「名録」への編入
    5. 登記証の取り消しと末梢

会場

大田区産業プラザ PiO
144-0035 東京都 大田区 南蒲田1-20-20
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