2010年11月10日「コンパウンド、ポリマーブレンドにおけるミクロン、サブミクロン分散からナノ分散への最近の変化趨勢とその混練操作」
全サブミクロン分散により材料強度を向上させる段階が、現在の業界一般の最先端であるが、さらに、全ナノ分散を実現すると、材料強度が異常に大きくなる。そうした状態を作り出す作用、すなわち高分子材料と無機あるいは有機材料の分散操作である混練作用が、今見直されている。
なぜナノ分散が強度向上に繋がるのかなどの理由も分かってきた。一方ナノ分散は特異な特性を持っている。
1例を挙げれば、全ての添加物に対して、光の波長以下の分散粒子 (繊維) 径を実現できれば、材料の透明性が得られる。
今、単層のカーボンナノチューブ分散は、電気伝導性を生かして太陽光発電分野のパネルの部品として透明電極に応用されつつある。
「ナノ分散と混練作用」と言う観点から講演をする。従来応用されてきたせん断流動分散には欠点が多すぎて、中々ナノ分散を実現することが出来なかった。その理由を解明すると同時に、従来の混練操作を見直して、「ナノ分散混練」と言う1分野を形成する時期に来ていることを説明する。混迷している材料分野を大きく切り開く手段である。
- ナノテクノロジーの応用分野
- どのスケール分野が高分子分散に不足した技術なのか
- 均一分散が必要な高分子分散分野
- 混練とは何か、何を目的とした操作なのか
- 高分子材料の分散の実態
- 分散とは凝集破壊が主目的で、一次粒子の破壊ではない
- 凝集ナノ粒子のせん断破壊手法
- ナノ粒子の析出手法
- 事前分散された単一ナノ粒子郡の分散手法
- 微細分散における補強理論
- 無機ナノコンポジットの材料強度の特異性
- ポリマーナノ分散の物性の特異性
- 特殊目的の分散
- ITOとSWCNTによる透明電極の場合
- せん断流動分散と伸長流動分散
- せん断流動分散
- せん断流動分散のメカニズム
- 2軸押出機と各種混練機
- 不均一分散が発生するメカニズム、理論
- 不均一分散解消のための幾つかの試み
- 伸長流動分散
- 伸長流動分散のメカニズム
- ポリマーブレンド分散にのみ応用が可能である
- 均一分散のメカニズム、理論
- 均一分散の実際
- せん断流動分散と伸長流動分散の限界
- ナノ分散、ナノコンポジットの製造技術
- 無機ナノコンポジット製造に関係する諸技術
- ゾルゲル法 (インシチュー法)
- 層関挿入法
- 応用される無機フィラーによって限定される
- 結晶性PLAの高発泡技術への応用
- 高せん断法
- 発熱により高せん断が不足する条件が発生する
- 不均一分散の要素を多分に持つ
- スラリー分散法
- 破砕分散ではなく、分配分散である技術のメカニズムと特許
- ナノ粉体をWetで使用できる利点が存在する
- カーボンナノチューブの分散
- 無機スラリー開発の動向
- 無機物粒子のスラリー
- WCNTスラリー (分散液)
- 金属形 (33%) とセラミック形 (67%) の分離
- バンドルの解砕
- 非相溶性ポリマーのナノ分散の方法と可能性
- トピックス
- 新規な分散技術
- Pulltrusion 分散技術
- 地球温暖化対策
- CO2樹脂の合成と物性
2010年11月11日「押出機のスクリュ制御、混練・分散・コンパウンディング技術と最適化」
- 自動車の動向とプラスチック混練の動向
- 充填材、フィラーの傾向と分散
- フィラーの傾向
- フィラーのサイズと凝集力
- プラスチックの混練とは
- プラスチック混練過程
- プラスチック混練のメカニズム
- プラスチックのA.B.C
- VCMT (多様せん断混練理論) による形状制御と性能の向上
- モデル機による研究、評価
- 単軸押出・射出機用スクリューでの展開
- 二軸押出機での展開
- 二軸押出機での展開
- 高速・高押出への要求
- 二軸押出機での応用
- ローターセグメントとニーデイングの比較
- 大型混練装置への展開
- 表面処理と保全基準
- 表面処理の種類と摩擦係数
- スクリューの摩耗と保全基準
2010年11月17日「樹脂の溶融混練理論の基礎と計算機シミュレーションによる混練・分散評価」
- 背景
- 混練機・押出機の概要
- 計算機シミュレーションの必要性
- 溶融混練部の混合・混練メカニズム
- 分配混合と分散混合
- 伸長流動の効果
- ポリマーブレンドを例として
- ポリマーコンポジットを例として
- 単軸スクリュ押出機内の溶融混練
- 溶融理論とミキシングスクリュの関係
- 新規装置
- 二軸混練機・二軸スクリュ押出機内の溶融混練
- 溶融混練理論と二軸混練機・スクリュ押出機の関係
- 溶融混練に付随する問題と対策
- 新規装置
- 実験による混練評価
- 評価実験の例
- 各種実験の利点と問題点
- 計算機シミュレーションによる混練評価
- 計算機シミュレーションの利点と問題点
- 分配混合指標とその考え方
- 分散混合指標とその考え方
- 各種指標の利点と問題点
- 評価例の紹介
- 今後の課題
- 溶融混練について
- 溶融混練以外のプロセスについて
開催趣旨
樹脂・フィラーを混ぜて練る、2種類以上の樹脂をブレンドするといた材料をねらい通りに混練することは非常に困難であり、苦心しておられると思います。スクリュ内部での現象の為、なにが起こっているのか把握するこも困難であります。
本セミナーは樹脂、高分子、有機物、フィラー等を上手く混ぜたい、不具合を解決したい、混練を基礎から学びたいといった方々の業務に直結する、ヒントを得ていただく場にしていただきたく企画しました。
条件・配合の設定方法、理想的な混合物、分散状態を得る、混練技術の現状把握等、新しい混練技術の開発等製品の良し悪しを左右する重要なプロセスでのポイントが理解に役立つと思われます。
「分散・混練操作」「スクリュ制御と最適化」「評価方法」の3つのテーマで構成し、講師は豊富な知識、ご経験をお持ちの方々にお願いしております。多数の皆様のご参加をお待ちしております。
複数名同時受講の割引特典について
- 2名で参加の場合1名につき 7,350円割引
- 3名で参加の場合1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)