本セミナーでは、各種天然型複合糖質及びそれらのゲル化剤を用いた組織接着・止血・創傷被覆材としての医療応用の現状と今後の可能性について解説いたします。
複合糖質の中で、特に自然界に大量に存在し、容易・安価に利用できるキチン・キトサン、グリコサミノグリカン (ヘパリンやコンドロイチン硫酸等) 、フコイダン、アルギン酸を用いて、医療面 (特に災害医療) で有用性の高い、応急止血剤 (接着剤) 、補綴剤、創傷被覆剤、抗菌剤として利用できる機能性高分子、ゲル体、薄膜、スポンジ等の調製とその評価を行なっている。この研究・開発の中で光硬化性キトサンゲルの創傷被覆材としての適用については臨床研究の段階に入っており、内視鏡下手術のための粘膜下層充填剤としての適用については、臨床実験に進めるための準備を完成させている。 各種天然型複合糖質及びそれらのゲル化剤を用いた組織接着・止血・創傷被覆材としての医療応用の現状と今後の可能性について紹介する。