本セミナーでは、各種電池構成材料の技術開発動向と、各種のLiイオン電池の高温耐久性評価や安全性評価例を紹介いたします。
リチウムイオン電池は、各種の携帯機器から、電動車両、鉄道車両、電力貯蔵用などの広い分野での利用が進められており、将来は10兆円規模の産業に成長することが期待されている。ただ、携帯機器ではWhクラスの小型電池が使われるが、電動車両用ではその千倍のkWhクラスの電池が、更に、鉄道車両や電力貯蔵用ではその百万倍のMWhクラスの電池が使われる。この場合、使用する電流量も、それぞれAクラスから、100Aクラス、1000Aクラスと増大するため、ジュール熱による発熱が大きく、電池を耐熱温度以下に冷却しないと、電池が急激に劣化することになる。 現行の携帯機器用途で広く使われる「リチウムイオン電池」の耐熱温度は45℃以下であるので、これを60℃~100℃まで高める材料開発が活発に行われている。また、電池が大型化すると、外部からの制御だけでは安全性を確保することは困難であり、正極や負極、バインダ、集電体、セパレータ、電解質、セル外装など電池構成部材の技術革新により、安全性を向上することが進められている。 本セミナーでは、各種電池構成材料の技術開発動向と、これらで構成される各種のLiイオン電池の高温耐久性評価や安全性評価例なども紹介しながら、用途に応じた電池設計と電池の多様化が必要であることを述べる。