(2014年6月24日 10:30~12:45)
最近まで難治性掻痒症に対する薬物がなく、腎透析、肝炎の患者は夜も眠れない重篤な痒みに悩まされてきたにもかかわらず、有効な薬物がないため、病気と認められず、患者、家族のみがこのような痒みと戦ってきた。2009年に我々の開発したオピオイドκ作動薬、ナルフラフィン (商品名:レミッチカルセル) が腎透析の患者の重篤な痒みを適用として発売され、有効率80%と驚異的な効果が得られている。 本講演会では、オピオイドから薬物依存性を分離した手法、痒みを対象とした開発のきっかけ、薬理作用、臨床効果、市販後調査の結果を報告する。さらに、最近、この薬物を利用して痒みの基本的メカニズム、痛みがなぜ痒みを軽減するか、痒みに関与するニューロン等、今まで謎であった内容が解明されたので、この最新情報も解説する。
(2014年6月24日 13:45~16:00)
皮膚科領域において痒みに対する治療の重要度はきわめて高い。特に蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、湿疹・皮膚炎群、皮膚瘙痒症などでは、多くの場合内服薬による治療が行われる。本講演では、皮膚疾患における痒みの基礎、痒みに対する治療の現状、皮膚科医が求めている新薬像について述べたい。