PIC/S加盟承認に向けたGMP施行通知の改正によりバリデーション基準が全面改正され、DQの要件化や電子記録変更時の理由記録などが求められるようになった。またPIC/S・GMPにおいては電子生データの規定が求められている。本講座では、ラボおよび製造現場における電子記録と生データの信頼性を確保するためのERES対応とCSV対応を、PIC/S、FDA、EMAおよび厚労省の最新要件をふまえて体系的に説明する。さらに、URS作成、バリデーションアプローチ策定、トレーサビリティマトリクス作成のCSV実務演習を行い、座学内容を体で覚えていただく。また、付録CDに収載する豊富な解説文書により、後日の復習が可能である。
ERES/CSV対応を体系的に説明するなかで、実例を示しながら以下のような点を具体的に説明する。
- 電子記録の真正性確保
- 紙生データ機器からの電子記録取り出しとデータ加工
- HPLCの紙生データに対するFDA指摘
- 監査証跡・定期レビューのPIC/S要件とFDA指摘
- IT基盤の適格性評価 (PIC/S要件)
- 既存機器/システムのバリデーション
- HPLCのカテゴリ分類 (HPLCメーカによりカテゴリ分類が異なる)
- カテゴリ3/4の分類基準とグレーゾーンのバリデーション方法
- DQおよびシステムアセスメントの位置づけ
- カテゴリ3に対するDQ (PIC/S要件と適正管理ガイドライン要件の違い)
- スプレッドシートのバリデーション方法
ERES/CSVに馴染みのなかった方にも理解していただけるよう、ERES/CSVの基礎から説明する。FDAのコンピュータ指摘100件などを事例として紹介し、必要とされる対応レベルの感覚を身につけていただく。
- ERES : Electronic Records, Electronic Signatures (電子記録、電子署名)
- CSV : Computerized System Validation (コンピュータ化システムバリデーション)
- 第1部:ERES/CSVの基礎知識
- 電子記録・電子署名の要件
- 厚労省ERES指針、Part 11、Annex11
- CSVの基礎・IQ/OQ/PQの要件と実施方法
- DQとリスクアセスメント
- URS、FS、DSなどの仕様書に記載すべきこと
- バリデーション計画書/報告書などのCSVドキュメントに記載すべきこと
- トレーサビリティマトリクスの活用
- GAMP5のポイント
- 第2部:生データの電子化対応
- 生データとは
- 紙生データHPLCへのFDAコンピュータ指摘
- 電子生データへの署名方法
- 電子生データに求められる監査証跡
- 電子生データの管理
- 第3部:コンピュータ化システム適正管理ガイドライン
- ガイドラインの基礎
- ガイドライン対応
- 質疑応答集 (Q&A) のポイント
- パブリックコメント当局回答のポイント
- 構成設定とカテゴリ分類基準
- カテゴリ3/4グレーゾーンのバリデーション
- GAMP4/5ベースのCSVへの対応方法
- 既存システムの対応方法
- GMP適合性調査の実施方法
- 治験薬GMP査察におけるガイドライン適用状況
- 自己点検の項目
- 第4部:コンピュータ化システムのPIC/S対応
- PIC/Sとは
- PIC/S GMP Annex11「コンピュータ化システム」の要件
- PIC/S 査察官向けガイダンス PI 011-3
- バリデーションマスタープランとその活用
- 第5部:事例研究
- スプレッドシートのバリデーションと管理
- コンピュータ組込機器のバリデーション
- 監査証跡のレビュー:FDA指摘とAnnex11要件
- Annex11に対するEMAのQ&A
- FDAコンピュータ指摘107件の紹介
- 第6部:演習「市販標準機器の導入バリデーション」 (30分)
- URSの作成
- バリデーションアプローチの策定
- トレーサビリティマトリクスの作成と活用CSV文書例を演習回答として配布
- URS
- バリデーション計画書
- バリデーション報告書
- トレーサビリティマトリクス
- 質疑応答
- CSV/ERESに関し、日常の業務において困っていることや疑問などにお答えする。