車載用インバータにおける周辺技術動向の最前線

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プログラム

第1部 車載用インバータにおける実装技術動向 ~小型インバータを実現する高放熱実装、樹脂封止技術~

(2014年6月30日 10:00〜11:40)

 化石燃料の枯渇が話題となり、燃料費の高騰が自動車の燃費への関心を高めています。  HEV、BEVへの関心が高まり、そのモータ制御に使われるインバータの実装技術を紹介いたします。大電流を制御するため、実装技術と自動車特有の長寿命を実現する技術を、事例を交えて紹介いたします。

  1. カーエレクトロニクスの概要
    1. クルマ社会を取り巻く課題
    2. 環境対応
    3. 安全技術
    4. 快適・利便性向上
  2. 車載電子製品への要求
    1. 軽量化
    2. 信頼性確保
  3. 小型インバータを実現する高放熱実装技術
    1. インバータへの要求
    2. パワーモジュールの放熱設計の考え方
    3. 外部放熱構造
    4. 両面放熱モジュール用はんだ材料開発
    5. パワーデバイスの電極構造改良
    6. ボイド低減を実現する両面はんだ付け技術
    7. 樹脂封止のポイント
  4. 樹脂封止技術
    1. アクチュエータ駆動製品の事例
    2. 高放熱樹脂封止のための技術
    3. 大型樹脂封止製品の事例
    4. 樹脂回路基板製品の樹脂封止評価
  5. 将来動向

第2部 SiCパワー半導体の最新技術と車載インバータへの適用

(2014年6月30日 12:20〜13:50)

 シリコンIGBTはハイブリッドカーや電気自動車等の車載インバータを中心に様々なパワーエレクトロニクス機器に適用されている。1982年の誕生以来、現在までの四半世紀にIGBTはMOSゲートサイリスタの挑戦を幾度となく受けてきたが、それらの挑戦をことごとく跳ね返し上記パワーエレクトロニクス機器のキーデバイスとして中心的な役割をしている。本講演では、IGBTの誕生から今日までの技術革新の歴史をパワー半導体各社での取り組みを中心に振り返り、なぜIGBTモジュールが主役になったのかについて、その低損失化・小型化に寄与した技術を紹介しながら解説する。そして現在、シリコンIGBTの特性改善が限界に近づいてきたと言われる。なぜか?その理由について述べる。  また最近SiCパワーデバイスの製品化発表が相次いでいる。しかしながら最近の発表データを見ると、オン抵抗に代表される低損失特性は目を見張るものの、長期信頼性に関しては特有の課題があり未だ解決の余地があるようである。本講演後半では、SiCパワーデバイス、特にMOSFETの最新技術を解説する。SiCデバイスのプロセスはシリコン素子のそれと何が違うのか?特長は?課題は?また素子設計をする上でSiC特有のポイントは何かあるのか?など、今年開催された国際学会での内容等を紹介しながら丁寧に解説したい。

  1. パワーエレクトロニクスとは?
    1. 夜の地表の衛星写真
    2. 発電機から各家庭のコンセントまでは交流
    3. パワエレ&パワーデバイスの仕事
    4. トヨタプリウス内のパワエレ装置
    5. インバータ回路を使った直流から交流への変換
    6. 電力変換回路例
    7. パワー半導体で発生する損失
    8. パワー半導体 (IGBTモジュール) の縦構造
    9. パワー半導体の種類と基本構造
    10. ICとパワー半導体の違い
    11. パワーデバイスの適用分野 (現状)
    12. Si-MOSFET・IGBTの伸長
    13. 主なパワーデバイスと制御回路
    14. パワー半導体市場予測 (素子ベース)
    15. 世界パワー半導体売り上げランキング
    16. まとめ
  2. Si-IGBTの進展
    1. IGBT開発の歴史
    2. IGBT開発のポイント
    3. IGBTの誕生
    4. 初期のIGBTは全く売れなかった。なぜ?
    5. IGBT高破壊耐量への取り組み
    6. Non-latch-Up Bipolar-Node MOSFERの概念
    7. IGBT高破壊耐量への取り組み
    8. IGBTの誕生よるチップ縮小化の効果
    9. IGBT特性向上への挑戦:微細セル技術の適用
    10. IGBT特性向上への挑戦:トレンチゲート構造の適用
    11. なぜ世の中にはpチャネル型IGBTがないのか?
    12. IGBT高破壊耐量の実現
    13. フィールドストップ (FS) 型IGBTの誕生
    14. IGBT特性改善を支える技術
    15. IGBTチップの特性改善
    16. 特性改善に向けて
    17. 薄ウェハ化の限界
  3. SiCパワーデバイスの現状と課題
    1. 半導体デバイス材料の変遷
    2. ワイドバンドギャップ半導体とは?
    3. 各材料の主要物理定数比較
    4. SiCのSiに対する利点 (SBDの場合)
    5. SiC-MOSFETかSiC-IGBTか?
    6. なぜSiCパワーデバイスなのか?
    7. 高温動作ができると何が良いのか?
    8. SiCウェハができるまで
    9. SiC結晶ウェハができるまで
    10. SiCウェハ (6インチ径)
    11. ステップ制御エピタキシ
    12. SiCウェハオフ角
    13. なぜオフ角を小さくしたい?
    14. SiC-SBDそしてSiC-MOSFET開発へ
    15. SiCパワー半導体の製品応用例:鉄道
    16. SiCパワー半導体の製品応用例:産業
    17. 最近のSiCトランジスタトピックス
    18. 量産レベル低損失SiC-MOSFETとSiC-SBD
    19. 1200V SiC-MOSFETモジュールの量産化
    20. All SiC-MOSFET インバータを発表
    21. SiCのデバイスプロセス
    22. SiC-MOSFET作成プロセスの概略
    23. 主な不純物のイオン化エネルギー
    24. SiC中へのイオン注入
    25. インプラ・アニール後の断面TEM写真
    26. SiCデバイスのイオン注入工程
    27. インプラ・アニール工程での問題点
    28. カーボンキャップ法による表面荒れ改善
    29. ゲート酸化膜の形成方法
    30. 界面準位のMOSFET特性への影響
    31. チャネル移動度の報告例
    32. 各種パワーデバイスの耐圧とRonA
    33. ゲート電圧印加後のしきい値変動
    34. SiCデバイス信頼性のポイント
    35. 高Vds印加時のMOSFET表面電界分布
    36. SiCトレンチMOSFET
  4. まとめ

第3部 車載用インバータにおける熱設計・熱対策

(2014年6月30日 14:00〜15:40)

 ハイブリッド車 (HEV) や電気自動車 (EV) で使用されるインバータは、小型・軽量・高効率・高出力化、低コスト化が重要となっている。これらの要求を実現するには放熱技術が不可欠である。インバータでは、素子の温度を一定以下に保つためにその放熱経路上の熱抵抗を最小化しなければならない。素子から冷却空気までの熱抵抗を最小化するために様々な放熱材料や構造が必要とされる。  本講座では、車載用インバータを中心に、広範囲な熱設計のポイントについて解説する。

  1. インバータの基本構造と放熱
    1. インバータモジュールの構造
    2. チップから冷却器への放熱経路
  2. 熱によって発生するパワーモジュールの不具合
    1. パワーモジュールの熱疲労と寿命
    2. パワーサイクル試験による不具合の洗い出し
  3. パワーモジュールの低熱抵抗化
    1. モジュールの熱対策分類
    2. 放熱材料・放熱デバイス
    3. チップ温度計算例
  4. 接触熱抵抗低減
    1. 接触熱抵抗計算
    2. TIMの種類と特徴
    3. グリースの選び方と課題
    4. 熱伝導シートの特性と課題
  5. モジュール冷却器の設計
    1. 水冷モジュールの熱設計例
    2. 空冷ヒートシンクの設計例

会場

江東区役所 商工情報センター (カメリアプラザ)
136-0071 東京都 江東区 亀戸2-19-1
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