本セミナーでは、懸濁重合・乳化重合について基礎から解説し、乳化重合の応用、粒子径の制御、粒子の表面修飾、構造化粒子の製法、粒子の自己配列について詳解いたします。
乳化重合法と懸濁重合法は一般的なポリマーの製法としてよく知られている。これらの手法は反応性の制御が容易であることから、系統的な知識を得てしまえば、だれにでも容易に製造可能である。また、水系溶媒が使用可能であるので、比較的安全安価かつ単純な製造設備を使用できるなど、利点が多い。この二つの重合法には他の重合法にはない特徴がある。それは生成物が粒子として得られることである。ある材料が制御された粒子であれば、粒子であること自体が一つの機能となるので、このことは機能性材料が得られることに通ずる。さらに、粒子は必然的に界面を有するので、界面の化学的、物理的特性の制御や修飾、異種材料との複合化による新機能の発現などの機能設計が可能となる。粒子結合や膨潤制御による形状の異形化、あるいはコアシェル構造や海島構造などの構造制御も可能である。 新製品の開発、あるいは不断の製品改良のためには、既存材料の組み合わせでは物足りなくなるのは当然起こり、新しい機能性材料の要求が生ずることはよくあることである。この時の対応手段として、この二つの重合法から得られる種々の機能付与について、系統的な知識を有しておくことは有益なことである。 本セミナーでは、まず、重合法やポリマーの構造と性質などの基本的かつ系統的な理解から初め、乳化重合法については、その原理と乳化を基本とする種々の派生的応用法について、懸濁重合においては液滴形成をキーとし、その形成法、粒子径制御、構造制御のさまざまな方法を解説する。また、機能性材料の開発という観点から見れば機能性粒子の設計だけでなく、その配列やパターン化などもよい手段となるので、その方法についても解説する。