臨床検査値は客観性があるため、臨床治験における有害事象の評価で最も効果的に利用されるデータの一つである。臨床検査値変動は、軽微な一過性な異常値出現と、真に身体異常を反映している場合があり、特に治験においてはその判別は重要となる。
本研修では、異常値を示した症例を提示し、異常値がどのような機構で生じたのかを基礎から学ぶ。
- 肝臓、胆道関連
- 症例1) 肝臓機能が著しく低下した症例
- 症例2) 薬剤などで軽度に肝臓がダメージを負った症例
- 症例3) 薬剤により、胆道障害をきたした症例
- 肝臓の組織、生理学、生化学。
- AST (GOT) , ALT (GPT) , LDHなど肝ダメージで変動する酵素の機能
- ビリルビン代謝 と 異常値発生機構
- 薬物代謝の基礎から、肝臓ダメージの機構
- 腎臓関連
- 症例4) 腎不全症例
- 腎臓の組織と排泄と再吸収の生理学。糸球体ろ過と尿細管の機能
- BUNの生成機構。腎不全以外で軽度高値となる機序
- クレアチニンとは何か。クレアチニンは、ろ過されるが再吸収されないためGFR測定に使われている
- 腎臓による酸塩基平衡 水電解質調節の機構
- 赤血球関連
- 症例5) 慢性炎症による貧血
- 症例6) 薬剤による溶血性貧血
- 赤血球合成機構、網赤血球とは
- 鉄代謝機構、炎症による鉄利用障害機構
- 溶血の機序。免疫学的機序による場合に陽性となるクームステスト (抗グロブリン試験)