激化する国内外の競争環境により、ビジネスツールとしての英文契約書作成実務は、備えておくべき必須スキルとして重要性を高めています。英文契約書に対する理解、知識、読み方・書き方の習得は、新任者の方々のみならず、海外取引に携わっておられる担当者、管理者、経営者にとっても、改めて習熟しておかなければなりません。
今回の英文契約セミナーは、日常的に多忙を極めるこうしたお立場の方々を対象に、ごく短時間に英文契約の全体像、読み方・書き方の基礎を学び、同時にそれらの実務を速習して頂くために準備されました。
講義の第1回は英文契約の「全体像とものの考え方」、第2回は英文契約の「読み方」実務、第3回は「書き方」実務です。また、各回の講義内では、受講者の皆様に参加して頂く「演習」の時間を取り入れ、実践により腹に落とし込んでいただく機会を設けました。
講師には、SSKセミナーでもレギュラー出演の国際取引と英文契約実務経験二十数年のベテランを招き、体験を踏まえて、再現可能なノウハウを分かりやすく解説してもらいます。
第1回 基礎から分かる英文契約書実務 (入門編) ※質疑応答/名刺交換あり
赤坂ビジネスコンサルティング 代表
野口 幸雄 (のぐち ゆきお) 氏
(2014年7月17日 13:00〜17:00)
第1部 一般知識総ざらい
- 英文契約書の構造
様式化された4つの部分に分解して理解。法律背景についても解説。
- 冒頭部分 (契約の効力発生日、前文、約因文言)
- 実質条項部分 (契約当事者の権利・義務に関する条文)
- 一般条項部分 (契約の運営・解釈・紛争処理に関する条文)
- 末尾文言部分 (隔地者間の調印、効力発生時期)
- 英文国際契約のものの考え方とは
- 人間性善説に立った考え方 (日本) と人間性悪説に立った考え方 (欧米系) の違い
- 主な一般条項 (General Provisions) を理解して使う
どのような英文国際契約にも使われる合計22種類の一般条項の解説
- 英文契約の一般条項にはどのような役割があるのか
- 汎用性の大きい一般条項 (合計22種類) を覚えてしまおう
● 実務知識の演習 : 英文契約のある一般条項の解釈と翻訳 ●
第2部 国際契約交渉の進め方 (基礎編)
<Ⅰ>交渉に入る前に
- 英文国際契約と日本語の国内契約の違い
- 何故英文契約はやたらに長いのか
- 契約書での相手方の縛り方 (契約の相手方に対する信頼感の問題)
<Ⅱ>契約交渉の手続き例
- レター交換による交渉の留意点
- 初期の実質的交渉
- 秘密保持契約の締結
- 合意形成と議事録minuteの作成
- 「レター・オブ・インテント」 の締結
- 「レター・オブ・インテント」の機能と法的効力、実例
- 最終的な契約交渉
- 最終契約案をどちら側が作成するか
- 交渉決裂の場合も考えながら交渉する
- 契約に落ちがないかの検証と準拠法・紛争解決手段 (訴訟・仲裁の区別) 等の規定の確認
- 締結 (調印の仕方・綴じ方)
- 契約締結後の手続
- 契約書の引渡し
- 調印権限の問題 (代表取締役の権限との関係)