自動車産業においては燃費節約を目的として、車体の軽量化が重要になっている。車体としての構造強度を落とすことなく、密度の小さいプラスチック材料に可能な限り置き換えることが考えられている。プラスチック材料としては、C-FRP、G-FRPのような複合材料やPP、PA (ポリアミド) などのエンジニアリングプラスチックが考えられている。
接合ということを考えたときに、鋼材相互の接合であれば溶接という従来から実績のある接合方法が優勢であるが、鋼材とプラスチックの接合のように異種材料の接合では溶接は適用できない。接着剤による接合 (接着) に頼るしかない。近年の接着技術は、被着材の表面処理さえ確実に行えば接着不可の被着材はない。
以上のようなことから本接着技術講座においては、
- 自動車構造用接着剤の技術動向
- 異種材料の接着
- 金属とプラスチックの接着
- 金属とゴムの接着
について詳細に説明する。
- 自動車構造用接着剤の技術動向
- 自動車用接着剤の概要
- 一般的な自動車製造工程
- 自動車ラインで 使用される接着剤・シーリング材
- 代表的な接着関連材料
- スポットウエルドボンディング工法 (接着とスポット溶接の併用)
- ヘミンブ用接着剤
- エポキシ樹脂系構造用接着剤の性能
- ダイレクトグレージング工法 (ウインドガラスの接着)
- ガラスの表面処理
- 構造用接着剤
- 構造接着&構造用接着剤とは
- 構造用接着剤の種類
- 構造用接着剤の規格
- エポキシ樹脂系構造用接着剤
- エポキシ樹脂の機能化変性
- プレリアクト法
- エラストマーのコアセル粒子
- 弾性接着の考え方
- 化学反応形アクリル樹脂系接着剤
- ポリウレタン系構造用接着剤
- 構造接着への期待
- 異種材料の接着
- 金属とプラスチックの接着
- 接合手段の長所・短所
- 何故異種材料の接合 (接着) なの?
- 異種材料の接着例
- 接着の阻害因子
- 金属表面状態模式図
- 金属材料の特性
- 表面処理の必要性
- 表面処理の工法
- 金属表面の脱脂・研磨
- 金属の表面処理
- プラスチックの表面処理
- プラスチックの表面処理手法
- 表面処理効果の確認
- 鋼板とC-FRPの接着
- 鋼板とPPの接着
- PPの表面処理 (イトロ処理)
- PA (ポリアミド) の接着、接着剤、表面処理
- 金属とゴムの接着
- 金属とゴムの接着
- 被着材の組み合わせと接着方法
- ゴムの簡易鑑別法
- 各種ゴムのTg (ガラス転移温度) とSP値 (溶解度パラメータ)
- 主要エラストマーの特性
- ゴム用配合剤
- ゴムの加硫接着
- 加硫ゴムの表面処理の手法
- ヨウ化メチレン処理による接着硬化
- 加硫ゴム用接着剤
- 金属/ゴムの接着例