カーボンナノチューブは、剛直で太い気相成長炭素繊維から、細くて絡み合った短尺なMW-CNT、バンドル構造を有する SW/DW-CNT、更には、基板成長法による長尺CNTと著しく進化している。
現在、我々は、これらのCNTを目的に合わせて自在に選択できるようになってきた。それに伴い、小粒ながらもCNTを用いた応用製品も続々と登場している。一方、世界は日本が考えている以上に猛烈なスピードでCNT製品の産業化を競っている。
本講演では、より密度高くCNT応用製品の実用化を進めるために、CNT誕生時から長くCNTに携わってきた著者の現場体験をベースに、①液相および固相分散技術、 ②幅広い応用開発事例、③毒性/安全性情報、④期待遇りの特性が発揮できない理由とその対策、⑤長尺CNTの将来性など、多方面からの最新情報を分かり易く解説する。
- カーボンナノチューブの魅力
- 進化するCNTの世界
- CNTの特性
- CNTの期待される用途
- 弊社の企業戦略
- 企業ポリシー
- 分散液からプロトタイプ開発の提案
- 産学官のネットワーク網の構築
- MW-CNT選び方 (データベースの作製)
- 公表/追加分析データ
- 形状観察 CSEM写真/TEM写真〉
- ラマン分光
- TG-DTAデー夕
- 透明ナノネット膜評価データ
- 透明ナノネット膜観察 (SEM写真)
- カーボンナノチューブの分散技術
- 液相分散
- 液相分散における留意点
- 湿潤剤・分散剤の選択
- 分散機の選定
- 分散終点の見極めと後工程での留意点
- 固相分散 (熱可塑性樹脂を例にして)
- CNT/樹脂複合材の特徴と課題
- 既存押出機を用いた分散技術
- 射出成型品による物性評価
- 分散終点の見極めと後工程での留意点
- カーボンナノチューブ応用開発事例
- 透明・静電防止塗料
- 透明導電性/フィルム
- 面状発熱ペーパー
- 面状発熱繊維
- Stretchableな高導電性複合材料
- CNT/熱可塑性樹脂複合材
- CNT充填エポキシ樹脂複合材
- 超高耐熱・耐圧CNT/ゴム複合材
- リチウムイオン二次電池への応用
- その他 (NEDO/産総研プレスリリースより)
- カーボンナノチューブの毒性/安全性情報
- NEDOのCNTリスク評価結果
- 現場でのCNTネットワークの高導電化
- 期待した性能/特性が出ないことへの対応
- 成膜時のCNTの挙動解析
- CNTネットワークの高導電化
- 熱成形時のCNT局在化
- まとめと将来展望
- ナノテクノロジー産業を支える4つの技術基盤
- 長尺CNTのドライプロセスの活用
- イノベション・プロダクツ創出への私見