医薬品のライフサイクルマネジメントは、企業の経営戦略として重要な役割を担っており、とくに、特許権の存続期間の延長は、医薬品の収益力を大きく左右する重要な観点です。本講演では、特許権の存続期間の延長に関する最近の裁判例と産業構造審議会の報告 (再生医療等製品に関する特許期間の延長) を中心にご紹介し、実務上の留意点について考察します。講演者は、特許庁で20年間、この分野の特許審査・審判を担当しておりますので、経験に基づく分かりやすい講演が行われる予定です。
- 特許権の存続期間延長の現状
- 改訂基準の策定後から現在に至るまでの傾向
- 再生医療等製品に関する特許期間の延長の動き (産業構造審議会報告)
- 特許権の存続期間延長を巡る最近の裁判例
- 本件処分と特許発明の関係が争われた事例①
- (パシーフカプセル事件 (差戻後) :知財高判2012年 (行ケ) 第10295号)
- 本件処分と特許発明の関係が争われた事例②
- (免疫グロブリン変異体事件:知財高判2012年 (行ケ) 第10309号)
- 医薬品の剤形の変更について
- (抗ウイルス用医薬組成物事件:知財高判2010年 (行ケ) 第10177号、等)
- 医薬品と特許クレームとの関係について
- (エタネルセプト事件:知財高判2009年 (行ケ) 第10092号、等)
- 医薬品の適応症の程度の相違について
- (アリセプト事件:知財高判2009年 (行ケ) 第10423号、等)
- 医薬品特許の延長される期間について
- (シクロスポリン事件:知財高判2009年 (行ケ) 第10097号)
- その他の判決例
- 欧米における特許権の存続期間延長の実務
- 米国の制度と実務の現状と課題
- 欧州の制度と実務の現状と課題
- その他 (アジア・アセアンなどの途上国の制度の現状と課題)
- 医薬品の特許出願戦略によるLCM
- 新規な有効成分または医薬用途に関する特許出願戦略
- 医薬品の改良発明に関する特許出願戦略
- 基本発明の特許出願時における検討
- 基本発明の出願公開との関係
- 応用発明の製造販売との関係
- 今後の展望
- 最近の裁判例の総括と今後の方向性
- 審査官の視点から見た今後の注意点
- 再生医療等製品に関する特許期間の延長の行方